
■非営利団体が営利事業を支配、株式価値は1000億ドル超に
OpenAIとMicrosoftは9月11日、新たなパートナーシップに向けた拘束力のない覚書(MOU)を締結したと発表。両社は今後、最終的な契約条件の合意を目指して協議を進め、安全性を最優先したAIツールの開発と提供を加速させていく方針。共同声明では、人類全体に利益をもたらすというAGI(汎用人工知能)開発の使命を再確認し、両社が引き続き安全性と公共の利益を重視する姿勢を強調した。
今回の合意では、OpenAIの非営利団体が営利法人であるPBC(Public Benefit Corporation)を直接支配する新たな組織構造が示された。非営利団体は引き続き最高権威を保持し、PBCの株式を通じて事業に直接関与する。新たに発行される株式の価値は1,000億ドルを超えると見込まれており、これによりOpenAIの非営利団体は世界有数の資金力を持つ慈善団体の一つとなる。この資本増強によって、団体は使命達成に必要なリソースを確保し、コミュニティへの影響力を拡大していくことが可能になる。
さらに、OpenAIの非営利部門は、最初の取り組みとして5,000万ドル規模の助成金プログラムを開始した。このプログラムは、AIリテラシーの向上、地域社会におけるイノベーション、経済的機会の拡大という3つの分野に焦点を当て、非営利団体やコミュニティ組織を支援する。今回のプログラムはあくまで始まりに過ぎず、資本増強を背景に活動規模のさらなる拡大が期待される。声明では、AIの発展が社会のあり方を形作る新たな局面において、慈善活動やコミュニティ主導の取り組みを通じて、共に学び、未来を築いていくという決意が示された。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)