モンスターラボ、ラテンアメリカ成長企業投資ファンドに出資決議、新興市場アクセス強化へ

■AI・デジタル化支援分野で協業機会を拡大、グローバル戦略の一環

 モンスターラボ<5255>(東証グロース)は9月22日、ラテンアメリカ地域の成長企業に投資する「BVC LATAM IMPACT Fund」への出資を決議したと発表した。同社は「AIを軸とした高付加価値ソリューションの提供」と「グローバルデリバリー体制の強化」を成長戦略の柱に据えており、今回の出資は新興市場へのアクセス強化と競争優位性確立を狙ったものである。ラテンアメリカは人口6.6億人、都市化率82%と大規模な市場基盤を持ち、一人当たりGDPは約1万米ドルと比較的高水準で、北米からの豊富な投資流入を背景に健全なベンチャー投資のエコシステムが整備されている。

 出資対象となる「BVC LATAM IMPACT Fund」は米国デラウェア州に設立されたリミテッド・パートナーシップで、運営はBVC(B Venture Capital)が担う。投資対象はブラジルを中心とするラテンアメリカのスタートアップで、新規20〜30社、フォローオン6〜8社への投資が見込まれる。同社は投資先企業との協業を通じてAIやデジタル化支援分野に直結する新規ソリューションを創出し、北米市場との距離的優位性を生かしたサービス強化を図る。さらに投資先企業の日本・アジア市場進出支援やグローバル顧客への紹介など、事業シナジーの創出も見込まれる。

 財務面では、BVCが過去のファンド運営で優れた実績を上げていることから、同社は財務的リターンも期待する。今回の出資により、日本・アジア中心だったポートフォリオに地理的分散効果をもたらしつつ、出資金額は総資産の0.5%未満にとどまるため財務への影響は限定的とされる。2025年12月期業績への影響も軽微であるが、短期的には投資先スタートアップとのPoCや人材交流を進め、中期的にはソリューション強化やグローバル顧客案件への活用につなげる方針である。今後、開示すべき事項が生じた場合には速やかに公表するとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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