【総裁選10月4日投開票へ】「一寸先は闇」と「一寸先は光」が入り混じる不確実な情勢

■政局と株価にトランプ・ディールが絡む不確実性

 政局と株式市場、さらに国際的な通商問題において、「一寸先は闇」と「一寸先は光」が入り混じる不確実な情勢が続いている。国内政局では、石破茂首相が7月の参議院選挙での与党敗北により退陣要求が高まる中、9月7日に自ら退陣を表明した。現在、自民党総裁選挙が「フルスペック方式」で告示され、10月4日の新総裁選出を控え、政局は再び大きな岐路に立たされている。一方、株式市場も同様の動揺を見せている。一時は混乱が懸念された日経平均株価は、足元で年初来高値付近まで上昇し、9月25日には年初来高値を記録した。この動きは、懸念を抱いていた投資家に「一寸先は光」への期待をもたらす展開となった。

 国際情勢では、「トランプ・ディール(取引)」と呼ばれる米国の通商戦略が最大の不確実要素として影響を与えている。9月23日の国連総会でのドナルド・トランプ米大統領の演説は、支持基盤に向けた統御を強めつつ、グローバリズム批判や追加関税の正当性を強調する内容であった。演説には「あなた方の国は地獄に落ちる」といった挑発的表現も含まれ、国際世論を刺激した。トランプ政権が関税政策を戦略的に用いる可能性は依然として高く、世界貿易や各国の関税交渉は不透明感を増している状況だ。

 国内外の状況が予断を許さない中、投資家や政策決定者は常に「一寸先は闇」か「一寸先は光」かを想定しながら判断を迫られている。米国の世論動向、中間選挙の行方、そして国際協調と対抗関係の構図といった要素が複雑に絡み合い、今後の政局や株価動向、ひいては世界経済の方向性を左右するとみられる。特に、トランプ大統領の動向を巡る不透明感は、政治・経済の両面において、国内外で高い緊張感を持って注視されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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