
■物価高騰下、生活防衛へ、今年2度目の値下げ策
イオン<8267>(東証プライム)とイオントップバリュは9月30日、トップバリュ商品60品目の値下げを10月1日から実施すると発表した。対象は「イオン」「イオンスタイル」「マックスバリュ」など全国約1万店舗で、4月に続き今年2度目の大規模値下げとなる。物価高騰が9か月連続で前年を上回る中、冷凍ブロッコリーや早ゆでスパゲッティなど人気商品を含め、生活必需品から日用品まで幅広い品目が対象となる。秋の行楽やレジャー需要が高まる時期に合わせ、生活者の節約志向を支援する狙いである。
■トップバリュ「コツコツコスパ」戦略で価格維持と再値下げ
今回の値下げは、同社が掲げる「コツコツコスパ」の取り組みを背景にしている。企画・開発から物流・販売までを一元管理し、製造委託先への計画生産や全量買い取り、在庫削減や流通コスト圧縮を通じて、余分なコストを徹底的に排除する仕組みを構築している。さらに、自社商品をグループの販売網で展開することで広告費や営業費を抑え、価格の安定と値下げ余地を確保してきた。こうした効率化は原材料価格の高止まりが続く状況下でも低価格を維持する基盤となっている。
イオンは今後も企業努力を継続し、日常的に「お買い得価格」の提供を追求する方針を示した。対象商品の詳細は店頭や公式サイトで告知される予定であり、食品から日用品、オーガニック商品まで網羅する構成となっている。グローバルな調達力と国内外に広がる販売網を活用し、消費者に「品質と価格の両立」を実現することを目指している。生活防衛の機運が高まるなかで、今回の追加値下げは、物価上昇が続く市場環境における小売大手の対応策として注目される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)