メルカリ、世界共通アプリ提供開始、台湾・香港から越境EC拡大、3年以内に50カ国展開へ

■越境取引市場の年23%成長を背景に、日本発マーケットプレイスを強化

メルカリ<4385>(東証プライム)は9月30日、越境取引事業の新戦略を発表した。戦略の中核は世界共通アプリ「メルカリ グローバルアプリ」の提供開始と、国内事業者向け越境EC基盤の強化である。「グローバルアプリ」は、台湾・香港で提供を開始し、今後は3年以内に50以上の国や地域に展開する計画だ。アプリでは累計40億品を超える商品にアクセスでき、AIによるリアルタイム翻訳や多通貨対応、検品・配送サポートなどを備え、海外購入者の利便性と安心感を高める仕組みを整えた。

 背景には、世界の越境EC市場が2024年の1.01兆ドルから2034年に6.72兆ドルへ成長する見通しがあり、年平均成長率は約23.1%と高水準が予測されている。メルカリはこうした市場拡大を好機と捉え、日本の商品やカルチャーを海外に届ける役割を強化する考えである。同社の越境取引事業は過去3年で15倍以上に拡大し、年間流通総額は900億円を超える規模に達している。今回の施策により、言語の壁や購入手続きの複雑さといった海外利用者の課題、海外販路拡大に踏み出せない国内事業者の課題の双方に対応する。

 「グローバルEC基盤」では、国内事業者が「メルカリShops」を通じて簡単に海外販売できるようにし、決済や配送、通関、顧客対応をメルカリが支援する体制を構築する。さらにエンタメ・ホビー分野に注力し、予約販売やオークション機能の導入を進め、コンテンツ権利元企業とも連携して取引の拡大を図る。今後は2026年春に米国展開を予定しており、中長期的には100以上の国や地域での展開を目指す。メルカリは「越境するならメルカリ」というブランド体験を浸透させ、世界的なマーケットプレイスとしての地位確立を狙う。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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