トヨタ、戦略投資子会社と8億ドル規模の新ファンドを設立、モビリティ変革を加速へ

■アーリーステージからグロースまで網羅、長期視点の共創体制を構築

 トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は9月30日、戦略投資子会社「トヨタ・インベンション・パートナーズ株式会社(TIP)」と、グロースステージ企業向けの「ウーブン・キャピタル2号ファンド(WC2号ファンド)」を設立したと発表した。投資枠1,000億円を有するTIPは、ファンドと異なり長期的な視点でアーリーステージ企業や発明家との事業連携に取り組む。同社の人財やモノづくりの知見を活用した協業を推進し、モビリティ変革に資する新たな価値創出を狙う。代表取締役CEOにはトヨタ執行役員兼CFOの近健太氏が就任した。

 TIPはトヨタベンチャーズやウーブン・キャピタルと並び、トヨタグループの戦略投資機能を担う存在となる。特に国内のアーリーステージ企業やToyota Woven Cityに参画する発明家らとの連携を重視し、単なる出資にとどまらずトヨタ資産を組み合わせた長期協業を志向する。近氏は「投資を通じたパートナーシップがモビリティ変革に不可欠であり、志を同じくする仲間と未来の発明に挑戦する」と述べた。

 一方、WC2号ファンドは8億ドル(約1,200億円)規模で、モビリティ、AI、自動化、気候テック、エネルギー、サステナビリティ分野において20~25件の新規投資を予定する。ウーブン・キャピタルはこれまで18社に投資しており、グローバルなネットワークを活用して協業を拡大してきた。マネージング・ディレクターのジョージ・ケラマン氏は「未来のモビリティを切り拓くイノベーター支援の節目」と強調した。今回の新体制により、トヨタは3つの投資主体を通じて内外の技術と事業を結び付け、モビリティカンパニーへの変革を加速させる構えである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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