フジッコ、中間純利益を68.9%上方修正、子会社譲渡益で利益拡大へ

■フーズパレット売却で特別利益を計上、法人税減少も業績を押し上げ

 フジッコ<2908>(東証プライム)は10月24日、2026年3月期第2四半期連結業績予想を上方修正したと発表した。中間純利益は従来予想の4億5000万円から7億6000万円へ68.9%増額され、前年同期比では約2倍となる見通しである。経常利益も6億5000万円から7億1000万円へと増加した。一方で、売上高は287億円から277億4000万円へ3.3%減少する見込みである。

 修正の主因は、2025年8月に実施した連結子会社フーズパレットの全株式譲渡による特別利益計上と法人税等の減少効果にある。株式譲渡後、同社は9月以降の連結対象から除外されており、これに伴う影響を織り込んだ。また、フーズパレットを除く事業においては、豆製品や価格改定を実施したデザート製品の売上が一時的に減少するものの、付加価値販売の推進と経費コントロールにより、利益は当初予想どおり推移すると見込まれている。

 フジッコは本年度より中期経営計画を始動し、コア事業の強化と事業ポートフォリオの再構築を進めている。今回の子会社譲渡および付加価値販売へのシフトは、この戦略の一環と位置づけられる。通期業績予想(当期純利益13億5000万円、売上高566億円)は据え置きとした。中核事業の収益改善と選択と集中による「稼ぐ力」の再構築を通じ、着実な成長実現を目指す方針である。

■株価は1600円台後半を中心に底堅く推移

 株価は寄り付き1618円と小安く始まったが、発表内容を好感した買いが入り10時には1630円まで上昇。出来高は午前10時前で約1.1万株と商いは限定的だが、利益修正を受けた下値の堅さが意識されている。通期業績見通しは据え置かれたが、中期経営計画に沿った構造改革の進展を評価する声もあり、株価は1600円台後半を中心に底堅く推移する展開となっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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