シンバイオ製薬、英MHRAが注射剤ブリンシドホビルの小児開発計画を承認

■英国で第Ⅲ相試験開始へ前進、欧州4カ国に続き審査段階に移行

 シンバイオ製薬<4582>(東証グロース)は10月28日10時40分、英国医薬品医療製品規制庁(MHRA)が、造血幹細胞移植後アデノウイルス感染症を対象とした注射剤ブリンシドホビル(IV BCV)の小児医薬品開発計画(PIP)を承認したと発表した。これにより、英国でのグローバル第Ⅲ相臨床試験開始に必要な要件が満たされ、同剤の国際共同開発がさらに進展した。EU主要4カ国では既に承認を取得し試験を開始しており、英国では治験申請が審査中である。同件が2025年12月期業績に与える影響はない。

 PIPは、成人向けに開発される医薬品が小児にも適切に開発されることを目的とする制度であり、販売承認申請前に当局の承認を受けることが義務付けられている。承認されたPIPに基づき開発が行われ販売承認を得た場合、英国ではオーファンドラッグ指定による10年の独占期間に加え、2年間の延長が認められる。今回の承認は、2025年9月に欧州医薬品庁(EMA)で承認されたPIPと整合しており、英国の小児医薬品開発計画も同等の水準で要件を満たすことが確認された。

 同社は2019年にBCVのグローバルライセンスを取得し、3つの治療領域で研究開発を推進している。第1の柱である造血幹細胞移植後ウイルス感染症領域では2028年下半期に承認申請を予定。第2の柱ではNK/T細胞リンパ腫の第Ⅰb/Ⅱ相試験を進行中で、固形がん領域でも臨床試験開始を検討している。第3の柱となる脳神経変性疾患領域では、多発性硬化症(MS)や進行性多巣性白質脳症(PML)を対象とした臨床試験を計画しており、BCVの事業価値最大化を目指す。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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