日本特殊陶業、デンソーのスパークプラグ・排気センサ事業を1806億円で譲受

■譲受対象の売上高は約1兆9千億円、競争法承認後に実行予定

 日本特殊陶業<5334>(東証プライム・名証プレミア)は9月1日、デンソー<6902>(東証プライム)が運営するスパークプラグ事業および排気センサ事業の譲受を発表した。両社は2023年7月に基本合意を締結しており、今回の契約により正式に事業譲渡が決定した。譲受実行は、国内外の競争法当局の承認など所定の条件を満たすことを前提としており、実行日は未定である。譲受対象となるのはデンソーおよび子会社が手掛けるスパークプラグや酸素センサ、空燃比センサの開発・製造・販売事業である。

 同事業譲受の背景には、世界的に進むカーボンニュートラルへの移行がある。電動化や燃料多様化が進展する一方で、地域や国ごとのエネルギー事情や既存車両の状況により、内燃機関関連製品への需要は引き続き存在すると見込まれる。日本特殊陶業はセラミック技術を活用し、供給責任を果たすことで移行期の需要に対応し、安定供給体制を維持するとしている。また、販路や生産体制の融合によって業界全体で最適な生産体制を築き、持続的な成長基盤を強化する狙いがある。

 譲受価額は1806億円で現金決済される予定であり、2026年3月31日時点を基準に価格調整が行われる。2025年3月期における対象事業の売上高は1兆9181億円、資産は6985億円に上る。資金は自己資金と有利子負債で賄う方針であり、企業結合会計基準上は「取得」に該当する見込みで正ののれんが発生する可能性がある。同社は今後、業績への影響について必要に応じ速やかに公表するとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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