【どう見るこの相場】初の1万8000ドルに乗せたNYダウの行方

どう見るこの相場

■リーマンショック乗り越えた「強いアメリカ」買いが佳境、2万ドルの期待強まる

<Q>NYダウが、遂に1万8000ドル台に乗せたようだが。

<A>22日(月>のNYダウは64ドル高の1万8024ドルと初めて1万8000ドルに乗せた。7~9月のGDP確報値がプラス5.0%と速報値の3.9%を大きく上回ったことを好感した。

<Q>アメリカの景気が良いということだけか。

<A>経済だけでなく、弱腰外交といわれていたオバマ外交が巻き返しに出ていることもあるだろう。ウクライナ問題でロシアに攻勢をかけているしイスラム国問題でも強硬姿勢をとっている。経済と外交の両面で「強いアメリカ」買いになっているといえる。

<Q>リーマンショックの安値から見ればそうとう上昇していると思うが警戒感はないのか。

<A>リーマンショックでの安値である2009年3月の6469ドル(場中安値)から22日の場中高値1万8069ドルまで約5年9カ月で約2.8倍の上昇となっている。上昇期間と上昇率とも普通に考えれば警戒感があることも否定できない。しかし、アメリカが金融バブル崩壊のリーマンショックを乗り越え体質が強くなり、とくに、この間、シエールガスを持ったことが大きい。

<Q>どう見ておけばいいのか。

<A>基本的には景気・企業々績が堅調でテロなどが起きない限りNYダウは強いとみていい。原油安による世界金融不安の懸念からアメリカの金利引上げは当面、ないものとみられ企業々績にはプラスだ。現在のNYダウPERは約16.7倍。去る、5日にダウが高値をつけた時点でのPERは17.0倍だった。現在の1株利益水準で17倍とすれば1万8280ドル前後が目安となる。今後、アメリカの企業々績がどのていど上積みされるかがポイントだろう。昨年のような大雪に見舞われることがなければ景気・企業々績の好調からNYダウ2万ドルの期待も強まるだろう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■岡崎医療センターで実証、医療従事者の負担軽減と業務効率化を確認  川崎重工業<7012>(東証プ…
  2. ■全国の介護事業者が安心して選定可能、TAISコード取得で信頼性向上  丸文<7537>(東証プラ…
  3. ■生成AIへの危機感、弁護士の間で高まる  GVA TECH<298A>(東証グロース)は8月21…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  2. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  3. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  4. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…
  5. ■公明党離脱ショック一服、臨時国会控え市場は模索  またまた「TACO(トランプはいつも尻込みして…
  6. ■自民党人事でハト派ムード先行、逆張りで妙味狙う投資戦略も  今週の当コラムは、ハト派総裁とタカ派…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る