住友化学、青果市況アプリ「YAOYASAN」に有料分析機能、農業DX軸に新ビジネス展開

■市場と産地を横断的に分析可能に、農業経営の意思決定を支援

 住友化学<4005>(東証プライム)は10月30日、青果市況情報アプリ「YAOYASAN(R)」をアップデートし、新たに「市況分析」機能を有料サービスとして追加したと発表した。農業関係者の経営判断を支援するデータビジネスを本格展開するもので、農業DX戦略の一環として位置づける。今回の機能拡張により、従来の市況速報や価格動向に加え、市場・産地ごとの視点で青果物流通を多角的に把握できるようになった。

 同アプリは、同社が2023年に立ち上げた農業情報サービス「つなあぐ(R)」の一部として提供されており、野菜・果物の卸売市場取引情報をグラフや図表で可視化することで高い利便性を得ていた。近年は、生産者間で「いつ」「どこで」「いくらで売れているか」といった価格や競合への分析需要が高まっており、これまで存在しなかった多角的な市況分析機能の開発が求められていた。住友化学はそのニーズに応える形で、市況データを自在に比較・分析できる独自プログラムを導入した。

 新機能「市況分析」では、期間や市場、産地などをユーザーが選択し、地図上で青果物の流通状況を確認できる。出荷計画や価格設定など経営判断に資する情報をリアルタイムで得られる点が特徴である。同社はこのサービスを通じ、食糧分野におけるデータ利活用を軸にしたDX戦略3.0を推進し、農業現場の課題解決と新たな価値創出を目指す。7月に始動した天然素材データプラットフォーム「Biondo」に続く第2弾として、デジタル革新による新事業モデルの確立を加速する考えである。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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