クリナップ、26年3月期中間期は大幅増益、価格改定効果で通期上振れも

(決算速報)
 クリナップ<7955>(東証プライム)は11月7日に26年3月期第2四半期累計(以下、中間期)連結業績を発表した。大幅増益だった。新設住宅着工戸数が低水準に推移するなど厳しい事業環境で売上高は小幅増収にとどまったが、販売価格改定効果が顕在化した。そして通期は増収増益予想(10月31日付で期初計画に対して売上高を下方修正、各利益を据え置き)としている。通期利益予想に上振れの可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は上値が重くなり年初来高値圏でモミ合う形だが、高配当利回りや低PBRといった指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■26年3月期中間期大幅増益、通期利益予想上振れの可能性

 26年3月期中間期の連結業績(10月31日付で売上高を小幅に下方修正、各利益を大幅に上方修正)は、売上高が前年同期比2.9%増の654億01百万円、営業利益が3.6倍の13億51百万円、経常利益が2.7倍の16億63百万円、親会社株主帰属中間純利益が3.9倍の10億05百万円だった。

 各利益は期初計画(営業利益4億円、経常利益6億50百万円、親会社株主帰属中間純利益3億50百万円)を上回る大幅増益だった。新設住宅着工戸数が低水準に推移するなど厳しい事業環境で売上高は計画(670億円)を下回り小幅増収にとどまったが、販売価格改定効果が顕在化したほか、原価低減効果なども寄与した。部門別売上高は厨房部門が2.7%増の525億93百万円、浴槽・洗面部門が1.7%増の76億20百万円だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が321億02百万円で営業利益が5億76百万円、第2四半期は売上高が332億99百万円で営業利益が7億75百万円だった。

 通期の連結業績予想(10月31日付で売上高を下方修正、各利益を据え置き)は売上高が前期比3.5%増の1345億円、営業利益が20.7%増の25億円、経常利益が14.5%増の30億円、親会社株主帰属当期純利益が7.6%増の18億50百万円としている。配当予想は前期と同額の31円(第2四半期末13円、期末18円)としている。予想配当性向は60.4%となる。

 売上高については新設住宅着工戸数の低迷が長引いているため、期初計画に対して35億円下方修正した。各利益については下期の売上減少、粗利率低下、人件費の増加などを想定して期初計画を据え置いた。中間期の進捗率は売上高が49%、営業利益が54%、経常利益が55%、親会社株主帰属当期純利益が54%である。中間期の各利益が期初計画を大幅に上回ったことを勘案すれば、通期利益予想に上振れの可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は上値が重くなり年初来高値圏でモミ合う形だが、高配当利回りや低PBRといった指標面の割安感も評価材料であり、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。11月7日の終値は779円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円30銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の31円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1583円18銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約292億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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