冨士ダイスの第3四半期は減益だが車載用電池向け超硬金型や半導体製造装置向け超硬製品など好調

(決算速報)

■昨年度好調だった一部製品の在庫調整や原材料高騰などあるが生産性向上進む

 冨士ダイス<6167>(東証プライム)が2月14日午後に発表した2025年3月期・第3四半期決算(24年4~12月・累計/連結)は、売上高が前年同期比変わらずの123億29百万円となり、営業利益は同41.2%減の3億47百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同41.3%減の2億80百万円だった。  

 原材料の高騰、IT投資や人財投資の拡充に加え、超硬製工具類の中で、昨年度好調だった海外向け溝付きロールの顧客での在庫調整による大幅な売上減少も影響した。ただ、超硬製金型類では製缶金型や車載用電池向け金型の販売が堅調に推移し、その他の超硬製品では半導体製造装置向けや超硬素材の販売が好調に推移した。

 生産性向上・業務効率化については、熊本製造所の冶金工程にCAD・CAMを駆使したNC加工機による自動加工ラインを導入し、平面加工における手作業の約60%を自動加工に移管した。

 同社のコア技術である粉末冶金技術と超高圧合成技術を掛け合わせて開発した、貴金属フリーで省電力のグリーン水素発生装置向け触媒・電極(PME)や、車載用モーターコア金型向け新材種として開発した水切りワイヤー放電加工用超硬合金(フジロイVG51)を発表した。

 3月通期(25年3月期)の連結業績予想は、24年11月に開示した前回予想から変更はなく、売上高は170億円(前期比1.9%増)、営業利益は6億80百万円(同16.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は同16.8%減の5億90百万円、予想1株利益は29円68銭。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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