
■成人IgA腎症向け、4週ごとの在宅自己投与が可能な新治療オプション
大塚ホールディングス<4578>(東証プライム)は11月26日8時55分、世界初のAPRIL抗体「VOYXACT(シベプレンリマブ)」が、進行リスクのある成人のIgA腎症におけるタンパク尿減少を効能として米国FDAより迅速承認を取得したと発表した。同社子会社である大塚製薬と米国子会社が申請していたもので、優先審査(PDUFA)の対象となっていた。本剤はAPRILを標的とし、病原性ガラクトース欠損IgA1(Gd-IgA1)を低下させる作用を持つ。自己投与可能な皮下投与製剤であり、4週間ごとの在宅投与に対応する。
迅速承認はフェーズ3「VISIONARY」試験の中間解析に基づき、投与9ヵ月後にuPCRがプラセボ比51.2%減少する有意な結果(P<0.0001)が得られた点が評価された。タンパク尿減少は腎機能悪化遅延と相関する代替マーカーとされる。本剤が長期的に腎機能低下を抑制するかは未確立であり、進行中の同試験でeGFRの24ヵ月時点のデータを評価する。結果は2026年初頭に得られる見込みとされ、今回の承認の裏付けに使用される可能性がある。
■FDA迅速承認を材料に年初来高値を更新
26日、株価は4日続伸し年初来高値となる9231円を更新した。米FDAがIgA腎症治療薬「VOYXACT」を迅速承認したことが強い買い材料となり、寄り付きから買いが先行した。出来高も増加し、8660円の前日終値から上昇幅を拡大した。PER14倍台、自己資本比率73%と財務基盤も堅固で、中期的な収益成長期待が追い風となっている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)





















