レナサイエンス、RS5614併用の次相治験開始へ、局所進行肺がんの初回治療を強化

■免疫チェックポイント阻害薬との併用で効果増強を探る、第Ⅱ相での知見を反映

 レナサイエンス<4889>(東証グロース)は11月26日、広島大学と契約を締結し、局所進行非小細胞肺がんを対象とした化学放射線療法と免疫チェックポイント阻害薬デュルバルマブによる地固め療法に、PAI-1阻害薬「RS5614」を併用する次相医師主導治験を開始すると発表した。治験は広島大学病院を中心に12医療機関で実施され、2026年4月頃の開始を予定する。既にPMDAとの対面助言を終え、治験プロトコールは確定している。今回の計画は、同薬の併用効果が確認されつつある第Ⅱ相医師主導治験(3次治療以降)の成果を踏まえたものとなる。

 同社と広島大学は、ニボルマブとRS5614併用の第Ⅱ相治験において35名の症例登録を完了しており、有効性が認められる患者もいることから治験期間を3カ月延長した。RS5614は、上皮間葉転換の抑制、Tリンパ球活性化、腫瘍浸潤マクロファージの減少など多面的な免疫活性化を示し、免疫チェックポイント阻害薬の効果増強に寄与することが示唆されている。また、放射線療法やデュルバルマブに伴う肺障害の抑制にも有効性が期待され、既存治療の課題である耐性獲得や副作用の問題解決につながる可能性がある。

 次相治験は非盲検・非対照の多施設共同試験で、対象は局所進行非小細胞肺がん患者27例、主要評価項目は「1年無増悪生存割合」とされる。治験は2026年4月~2030年3月に実施され、RS5614併用による抗腫瘍効果の増強と、放射線・デュルバルマブによる肺障害の抑制効果を検証する。根治照射を含む初回標準治療の成績向上を目指し、免疫チェックポイント阻害薬治療の到達率向上や安全性改善に寄与する可能性がある。同件による2026年3月期業績への影響は現時点で見込んでいない。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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