サイフューズ、同種臍帯由来細胞による三次元神経導管移植治験開始

■京都大学などと連携、免疫抑制剤不要の再生医療を検証

 サイフューズ<4892>(東証グロース)は12月16日、京都大学医学部附属病院などと共同で、末梢神経損傷に対する同種臍帯由来間葉系細胞を用いた三次元神経導管移植治療の医師主導治験を2026年1月から開始すると発表した。臍帯由来間葉系細胞を原材料に、バイオ3Dプリンタで製造した三次元神経導管を同種移植する治療で、世界初の取り組みとなる。

 従来の末梢神経損傷治療は、自家神経移植が主流であったが、健常神経を犠牲にする課題があった。京都大学ではこれまで自家細胞を用いた三次元神経導管移植で良好な結果を得てきたものの、組織採取の侵襲性や手術までの待機期間が課題であった。今回、東京大学医科学研究所附属病院で開発された臍帯由来間葉系細胞を用いることで、免疫抑制剤を使用せずに拒絶反応を回避できる可能性を、非臨床研究で確認した。

 同治験は、京都大学医学部附属病院で手指の外傷性末梢神経損傷患者を対象に実施し、移植後36週間の観察期間で安全性と有効性を評価する。治験製品はサイフューズの臨床用バイオ3Dプリンタを用いて製造される。治験が成功すれば、同種細胞由来の三次元組織移植による再生医療の実用化が進み、治療選択肢の拡大につながる見通しだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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