三井物産、生成AI活用の不動産業務効率化基盤「AIDeeD」を開発

■書類整理から売却資料作成まで一元管理、実証で作業90%超削減

 三井物産<8031>(東証プライム)は12月17日、生成AIを活用した不動産業務効率化プラットフォーム「AIDeeD」を開発したと発表した。2024年から実証実験を行い、不動産取引における一連の業務で大幅な効率化を確認した。実証で得られた知的財産の特許出願を完了し、2026年春から本格提供を予定している。

 国内の事業用不動産市場は取引規模が大きい一方、DXの遅れによる生産性低下や、取引の大型化・金融スキームの複雑化を背景とした専門人材不足が課題となっている。取引・運用業務の高度化と自動化は、取引件数の拡大や市場価値の最大化に加え、日本市場の国際競争力維持に不可欠である。

 「AIDeeD」は、物件取得時の書類整理から保有期間中のプロジェクト管理、売却時の資料作成までを一元管理する。設計図書や行政確認書類、設備点検報告書などの専門文書を自動で命名・分類・整理し、抜け漏れ確認やリスク抽出を容易にする。グループ会社での先行利用では、約200ファイルを扱う売却予定物件で、従来400分程度を要した作業の90%超を削減した。同件は社内の「戦略的DX支援制度」に採択された実証案件であり、同社は生成AIの社会実装を通じ、不動産業界の構造的課題解決に貢献する。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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