【編集長の視点】大和は値付かずも年末年始の国内旅行シフトで最高純益連続更新を見直し反発余地

編集長の視点

 大和<8247>(東2)は、寄り付き段階では商いが成立せず、前週末11日終値水準で低調な売買状況となっている。きょう14日の日経平均株価が、11日の米国株安や原油価格続落、円高・ドル安の進行を嫌って502円安と急反落してスタートしたことから同社株にも、目先の利益を確定する売り物がやや優勢となっている。ただ同社株は、前週末11日にJR東日本<9020>(東1)などが、年末年始12日間の指定席の予約状況を発表、年末年始の休暇が短期間にとどまることや、パリの同時テロなどの影響で国内旅行にシフトし好調な立ち上がりとなっており、このうちJR東日本の北陸新幹線が、前年比264%となっていることから、金沢関連株として低位値ごろ割安株買いが再燃する展開も想定される。今年3月の北陸新幹線開業時には年初来高値365円をつけ、さらに11月27日には今2月期純利益を上方修正、連続して過去最高を更新することを手掛かり株価が急伸したことも連想され、再現期待を高めよう。

指定席の予約好調の北陸新幹線関連で年末年始休暇特需の再燃も期待

 同社は、北陸地方を地盤に百貨店事業とホテル業を多角展開し、今年3月に開業した北陸新幹線向けに香林坊店などを改装、インバウンド(外国人観光客)需要の取り込みを図ってきた。また子会社が展開するホテルも改装するなど国内外の旅行客を誘致してきた。このため今年10月には今2月期第2四半期(2Q)累計業績を上方修正し、実績はこの上方修正値を上ぶれ、純利益は、期初予想の5000万円から1億9000万円(前年同期比83.3%減)と再開発事業に伴う特別利益約13億円を計上した前年同期からの減益転換率を縮小させた。

 今2月期通期業績は、期初予想を据え置いていたが、今年11月27日に純利益を上方修正した。同社の保有している上場株式3銘柄を資産の有効活用による財務体質の強化の目的で売却、売却益9億1700万円が発生したためで、期初予想の3億円を11億5000万円(同6.9%増)に引き上げ、前期の過去最高を連続して更新する。

 年末年始休暇の国内シフト、北陸新幹線の好調な指定席予約が、同社の北陸新幹線特需を再燃させ、期末に向けた再度の業績上ぶれ期待も高めることになり、株価急騰場面再現にもつながりそうだ。

PER4倍台、PBR0.7倍の超割安修正で高値奪回に再チャレンジ

 株価は、北陸新幹線開業と前後して年初来高値365円まで買い進まれ、今期純利益の大幅減益予想とともに調整局面入りとなり、8月に年初来安値158円まで突っ込み、高値の半値以下となった。その後、25日移動平均線水準での中段固めを続け、11月の今期純利益上方修正で窓を開けて200円台を回復、200円台を出没している。PERは4倍台、PBRも0.7倍と超割安で値ごろ妙味もあり、年初来高値奪回へ再チャレンジの展開も想定される。

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