花王、洗たく槽バイオフィルム内の菌を除菌する衣料用洗剤技術を開発

■界面活性剤の組み合わせで洗たく槽内菌を抑制する新洗浄技術

 花王<4452>(東証プライム)は3月11日、洗たく槽に形成されるバイオフィルム内の菌を日常の洗たくで除菌し、衣類への菌移行を抑制する衣料用洗剤の新技術を開発したと発表した。衣料用洗剤の洗浄成分である陽イオン界面活性剤と陰イオン界面活性剤を組み合わせることで、強固なバイオフィルム内部の菌にも作用する洗浄技術を確立した。普段の洗たくで洗たく槽の衛生管理を同時に行うことが可能となり、塩素系洗濯槽クリーナーに頼らない清潔な洗たく環境の維持が期待される。

■バイオフィルム由来の菌移行に着目

 同社はこれまで、洗っても落ちない衣類のくすみやニオイの原因の一つがタオルなどに付着するバイオフィルムであることを明らかにしてきた。バイオフィルムは菌が分泌する多糖やタンパク質を含む菌体外マトリクスと菌の複合体であり、長期間手入れしていない洗たく槽にも発生する。さらに、このバイオフィルムに潜む菌が洗たく水を介して衣類へ移行することも確認されており、同社は日常の洗たくでこれらの菌を抑制する技術の研究を進めてきた。

■界面活性剤の相互作用を解析

 従来、特定の陽イオン界面活性剤には除菌効果があるものの、洗たく槽のバイオフィルム内の菌には効果が及ばないとされてきた。花王はバイオフィルム表面が負に帯電している点に着目し、等温滴定熱測定分析により界面活性剤間の相互作用を解析。その結果、独自開発の陰イオン界面活性剤「バイオIOS」と組み合わせることで、陽イオン界面活性剤の除菌効果を維持したままバイオフィルム内部まで到達できることを確認した。

■実証試験で菌数減少を確認

 実験では、陽イオン界面活性剤とバイオIOSを組み合わせた洗剤でバイオフィルムを形成したモデル基板を洗浄したところ、バイオフィルム内の菌数が浸漬前より99%減少した。さらに5家庭で4週間使用した実証試験では、新技術を用いた洗剤で洗たく水中の菌数が使用開始時と比べて減少する結果が得られた。同社は同技術により衣類の不快なニオイ軽減や洗たく槽清掃の負担軽減が期待できるとしており、今後はファブリックケア以外の分野への応用も目指すとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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