【編集長の視点】アカツキは連日の上場来高値、大幅増益業績を見直して直近IPO株買いが増勢

編集長の視点

 アカツキ<3932>(東マ)は、222円高の2345円と3日続伸して始まり、前日23日取引時間中につけた上場来高値2343円を連日で更新している。同社株は、今年3月17日に公開価格1930円で新規株式公開(IPO)され、資金吸収額が73億円強とやや規模が大きく、3月中旬以降のIPOラッシュも響いて公開価格を下回る1775円で初値をつけ、その後1935円と公開価格にタッチしたものの、上場来安値1506円まで売られた。ただこの最安値からは、同社の今3月期営業利益が、前期比3.3倍と高成長予想にあることを見直し、直近IPO株買いが再燃した。きょう24日は、日経平均株価が、148円安と続落してスタートしていることから上値のシコリがなく、値動きの軽快さを手掛かりに買い増勢となっている。

■「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」は3000万件超のダウンロードとヒット

 同社の今3月期業績は、売り上げ55億7900万円(前期比28.4%増)、営業利益19億3500万円(同3.35倍)、経常利益16億2800万円(同2.74倍)、純利益8億6100万円(同2.33倍)と予想されている。同社は、スマートフォン向けのソーシャルゲームを開発・運営し、今期は自社開発のオリジナルタイトルと共同開発のIPタイトル合計で7本のタイトルを展開している。このうち上位3タイトルの売り上げで全売り上げの88.9%を占めており、この上位タイトルを子会社で自社ローカライズして、短期間に海外事業として立ち上げ、欧米、アジアでヒットしていることが要因となっている。

 なかでもバンダイナムコエンターテインメントと共同開発した「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」は、国内売り上げランキングで1位となったほか、海外でもヒットして国内外累計のダウンロード数は、3000万件を超えている。またオリジナルタイトルの「シンデレライレブン」は、スポーツジャンルのランキングで6位、「サウンドメモリーズ」は売り上げランキングで10位となっており、市場ニーズをタイムリーに捉え、高い技術力で圧倒的なスピードで開発し、国内の成功を海外に水平展開するビジネスモデルが、2010年の設立以来初年度から黒字を計上、高成長を続ける要因となっている。

■「小さく産んで大きく育てる」通りのセカンダリー推移で上値チャレンジに弾み

 株価は、1935円高値から上場来安値1506円までの下げたあと、セカンダリーでは急反発、最高値追いとなり、IPO株の投資セオリーの「小さく産んで大きく育てる」通りの株価推移となっている。全般相場が、上値が重く薄商いとなっているなか、直近IPO株買いをさらに強め上値チャレンジに弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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