【編集長の視点】一蔵はもみ合いも2Q業績上方修正で3月通期連続最高業績を見直し内需系超割安株買いの再燃有力

 一蔵<6186>(東2)は、1円高の1079円と小反発して始まったあと、4円安と下ぶれるなど前日17日終値を挟んでもみ合っている。きょう18日に日経平均株価が、為替相場の1ドル=99円台に進む円高となっていることが響いて185円安と反落してスタートしていることから、今年6月の年初来安値から大きく底上げしている同社株にも目先の利益を確定する売り物が交錯している。ただ下値には、同社が、今年8月15日に発表した今3月期第2四半期(2017年4月~9月、2Q)累計業績の上方修正し、期初の減益転換予想が増益転換したことをキッカケに、3月通期業績が、実質的に連続して過去最高更新と予想されることを見直す内需系の超割安株買いが根強く続いている。

■呉服、ブランド物振袖の受注が堅調に推移しウエディング事業もインバウンド関連で順調

 2Q累計業績は、期初予想より売り上げを2億4400万円、営業利益を2億2500万円、経常利益を2億3200万円、純利益を1億4100万円それぞれ引き上げ、純利益は、2億4900万円と今年5月に京都きもの学院を完全子会社化する以前の前2016年2Q累計純利益(1億6300万円)に対して実質で約53%の増益となる。和装事業で開催した催事における呉服、ブランド物振袖などの受注が当初想定よりも堅調に推移したことが要因で、ウエディング事業も、今期第1四半期(2017年4月~6月期、1Q)の受注が、インバウンド関連の挙式組数の増加とともに順調に推移していることなども寄与した。

 今3月期通期業績は、景気の不透明感、不確定要素もあるとして期初予想を変更せず、売り上げ155億4500万円、営業利益10億7300万円、経常利益10億6400万円、純利益6億7500万円と見込んでいる。京都きもの学院を子会社化する以前の前期単独業績に対しては、実質で10.9%増収、3.3%営業増益、3.4%経常増益、11.0%純益増益と続伸し、前期の過去最高を連続更新する。

■年初来高値抜けからなおPER8倍台、配当利回り3.2%の超割安是正に拍車

 株価は、1210円を公開価格に昨年12月にIPOされ、1236円で初値をつけ上場来高値1259円まで買い進まれたものの、初値形成後のセカンダリーでは1000円台を出没する中段固めが続くなどやや軟調な推移が続き、今年6月の英国の欧州連合離脱ショックの波及で上場来安値752円に突っ込んだ。さすがにこの最安値は下げ過ぎとして底上げ、2Q累計業績の上方修正の前の7月29日に発表した今期1Q業績が期初予想の2Q累計業績を上ぶれて着地したことを評価して窓を開けて1050円高値まで急伸、2Q累計業績の上方修正で年初来高値を窺う展開となっている。なおPERは8倍台、配当利回りは3.24%と超割安であり、年初来来高値抜けから上場来高値奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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