【材料でみる株価】ブイ・テクノロジーは新規大口案件を受注、豊富な受注残で18年3月期も収益拡大期待

 FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置のブイ・テクノロジー<7717>(東1)は、12月20日に新規大口案件受注を発表した。海外大手パネルメーカーからの大型受注が相次ぎ、豊富な受注残で18年3月期も収益拡大が期待される。株価は調整一巡して戻りを試す展開だろう。

 FPD製造装置メーカーで検査装置と露光装置を主力としている。海外大手パネルメーカーからの大型受注が相次いでいる。なお輸出販売は原則円建てで行っているため、装置販売に関する為替レート変動による影響は軽微としている。

 17年3月期業績に寄与する案件として、15年9月連結子会社VNシステムズがカラーフィルター用露光装置(総額51億円)受注、15年11月VNシステムズがカラーフィルター用露光装置(総額70億円と総額40億円の2件)受注、16年5月検査装置(総額60億円)受注、16年8月検査装置(総額60億円)受注、また18年3月期以降の業績に寄与する案件として、16年3月VNシステムズがカラーフィルター用露光装置(総額150億円)受注、16年8月製造装置(総額80億円)受注した。

 そして12月20日には、海外大手FPD(フラットパネルディスプレイ)メーカー複数社から製造装置を受注(総額180億円)したと発表している。18年3月期以降の業績に貢献する。

 17年3月期連結業績予想は、売上高が16年3月期比14.9%増の450億円、営業利益が同55.2%増の40億円、経常利益が同70.0%増の38億円、純利益が同92.0%増の19億円としている。16年4月子会社化した非接触センサーを用いた検査装置メーカーOHTの新規連結も寄与する。

 FPDパネル製造装置市場に関しては、特に中国において、有機ELディスプレイ(OLED)およびテレビ用大型液晶パネルの工場新設等に係る大規模設備投資が続く見通しだ。豊富な受注残で18年3月期も収益拡大が期待される。

 株価は12月中旬の直近安値圏1万700円近辺から切り返し、12月21日には1万3100円まで上伸する場面があった。日足チャートで見ると25日移動平均線を突破し、週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返している。調整一巡して戻りを試す展開だろう。

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