【新規上場(IPO)銘柄】船場は日系企業の海外進出など成長機会拡がる

株式市場 IPO 鐘

 船場<6540>(東2)は、昨年12月19日に東京証券取引所第二部市場に上場。同社は、戦後の復興期から今日まで、「繁栄のパートナー」を企業テーマに数多くの商業施設の開発と施工に携わりに、それらの経験とノウハウを生かし、金融、医療、教育施設など新たに商業施設の範疇になりつつある幅広い分野の施設づくりにも取り組んでいる。緻密な調査・分析に裏付けられた企画力、時代を的確に捉えたデザインカに長年の実績と技術を誇る施工力、それらを駆使して、常に顧客に「価値ある空間」を提供している。

 2019年12月期売上高340億円、営業利益21億円の中期の業績目標を掲げ、3年間で20%超の成長を目指している。国内市場は、ディスプレイ業界の市場規模が順調に拡大、SC店舗数も増加傾向で、既存分野での安定成長が見込まれるほか、購買スタイルの変化、物販から非物販への変化、流通業界の再編による変化、開発物件(開発エリア)の変化よる成長機会の獲得が期待される。

 今2017年12月期第1四半期業績実績は、売上高71億4400万円、営業利益3億3500万円、経常利益3億4700万円、純利益2億3100万円に着地。ショッピングセンターなどの新改装に加え、都市部の開発プロジェクトなどで比較的堅調な受注を獲得。外注比率の高い施工物件の増加に伴う工事原価率の上昇や人員増に対応するためのオフィス移転費用を計上した。

 今17年12月期業績予想は、売上高300億円(前期比8.6%増)、営業利益17億4000万円(同1.4%増)、経常利益17億4000万円(同1.1%増)、純利益11億3000万円(同3.0%増)を見込んでいる。同社は株主に対する利益還元を最重要経営目標のひとつとして位置付け、配当性向20%としており、年間配当は期末一括35円(同9円増)を予定している。

 株価は、1月19日につけた年初来の安値1043円から2月3日に上場来の高値1294円と上昇。その後、モミ合いが続いている。今期は、中期的な売上増加を視野にいれた約5%の人員増と人件費増加を計画、それに対応した東京本社増床及び関西、東北オフィス移転による賃料増加を計画しており、小幅増益となる見込みだが、駅や空港、サービスエリア、公園等の付加価値向上への対応や日系企業の海外進出など成長機会が拡がる。今期予想PER10倍台と割安感があり、配当利回り2.8%と利回り妙味はソコソコある。1100円どころを下値として固めた感があり、配当利回り3%水準まで押す場面があれば中長期的な視点で買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■歯周病の進行抑制に向け、老廃物除去と免疫調整の2軸で研究  ライオン<4912>(東証プライム)…
  2. ■バリア性能と印刷適性を両立、2030年までに10億円売上目指す  大日本印刷<7912>(東証プ…
  3. ■胃がん・大腸がん対策で「Train the Trainerプログラム」を展開  オリンパス<77…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  2. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…
  3. ■価格改定効果に加え9月以降の値上げで業績上乗せが期待される銘柄  今週の当コラムは、9月に価格改…
  4. ■9月1日に値上げラッシュの食品株は日銀バトルで小緩んでも株高持続性  まさに「パウエル・プット」…
  5. ■メガバンク株は業績修正や自己株取得が焦点、再編思惑も視野  銀行株やコメ関連株は盆休み明けの注目…
  6. ■日経平均史上最高値更新、夏枯れ懸念を払拭  前週末15日のマーケットは、お盆を象徴するかのように…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る