【編集長の視点】Jトラストは反落も今期の大幅続伸業績を手掛かりに下げ過ぎ訂正買いが継続

 Jトラスト<8508>(東2)は、前日4日に31円安の891円と反落して引けた。前日前場取引時間中に北朝鮮が弾道ミサイルを発射したことから、今年6月1日に突っ込んだ年初来安値786円からの底上げ途上にある同社株にも地政学的リスクを警戒して目先の利益を確定する売り物が出た。ただ下値には、同社が今年8月中旬に発表を予定している今2018年3月期の第1四半期(2017年4月~6月期、1Q)決算を先取りして、今3月期通期業績が、任意適用した国際財務報告基準(IFRS)により大きく続伸を見込んでいることを見直し、下げ過ぎ訂正買いが依然として続いた。すでに昨年5月時点で東証第1部への指定申請の検討を開始したことも、需給好転を期待する潜在株価材料として意識されている。

■任意適用のIFRSで今期営業利益は前期比11倍超の大幅増益

 同社の今2018年3月期業績は、売り上げ894億9000万円、営業利益100億5800万円、純利益81億3700万円と予想されている。前期の日本基準から今期はIFRSを適用するため、前期実績比較はない。前期業績集計の日本基準とIFRSでは、貸倒引当金の算定基準やのれんの償却方法などが異なって単純比較ができないためだが、前期の57億6900円の赤字となった営業利益は、IFRSでは9億円の黒字となり、これをベースに今期予想営業利益を比較すると実質で11.17倍の大幅増益の計算となる。業績実態面でも、アジア地域の事業を拡大、前期まで2期連続の黒字化を達成した韓国金融事業では、新規貸付の増加で営業資産の増加と良質化を進め、事業構造改革に取り組んだ東南アジア金融事業では、貸出に関して10億円規模の低金利のロットの大きいコーポレート向け貸出を圧縮して、1~5億円規模の高金利貸付(ミディアムローン)を増やすなど貸出ポートフォリアを入れ替え純金利収入の改善を図ることなどが寄与する。

 なお今期1Q業績は、今年8月中旬に発表を予定しているが、前期も1Q、3Q決算は、黒字転換して着地し株価も好感高しており、IFRS基準で集計する今期1Q業績の動向に注目度が高まっている。

■年初高値から値幅・日柄調整一巡でPER11倍台、PBR0.6倍の割り負け訂正に弾み

 株価は、前期3Qの好決算、設立40周年記念の株主優待制度を歓迎してつけた年初来高値1400円から、同社が転換社債を引き受けたGroup Lease PCL(GL)社のタイ証券市場での株価急落にツレ安して990円をつけ、GL社の株価急落が誤報によるものと判明して1092円まで反発したものの、地政学リスクの高まりによる世界的な株価波乱の影響で年初来安値786円へ再調整した。同安値は、値幅的にも年初来高値から43%安、日柄的にも4カ月を経過し値幅・日柄調整一巡を示唆したとして約2割の底上げをした。投資採算的にもPERは11倍台、PBRは0.6倍となお割り負けており、まず年初来高値からの調整幅の半値戻しの1000円大台回復を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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