【新規上場(IPO)銘柄】SYSホールディングスは車載ECUの受注や電力・ガス自由化でソフトウェア投資に期待

株式市場 IPO 鐘

 SYSホールディングス<3988>(JQS)は、6月30日に東京証券取引所JASDAQに上場した。同社グループは、純粋持株会社である同社、国内連結子会社5社、海外連結子会社1社の計7社で構成されており、システムの開発及びソリューション・サービスの提供を中核とする総合情報サービス事業を運営している。

 グローバル製造業ソリューションでは、主に、自動車、重工業、工作機械、鉄鋼、搬送機等の関連企業を主要顧客として総合情報サービスを提供している。社会情報インフラ・ソリューションでは、電力・ガス等のエネルギー、生命保険・クレジットカード、リース・証券等の金融、印刷帳票、鉄道、不動産関連の企業や官公庁・自治体等を主要顧客として総合情報サービスの提供を行っている。モバイル・ソリューションでは、流通グループ、訪問介護、鉄道、医療、ロードサービス等の業種をエンドユーザーにモバイル・アプリケーション等によるサービスを提供している。

 2017年7月期第3四半期業績実績は、売上高29億4900万円、営業利益1億7500万円、経常利益1億8200万円、純利益1億5200万円に着地。グローバル製造業ソリューションにおいては、自動車関連のECU(電子制御ユニット)分野や工作機械、搬送機メーカー系顧客からの受注の増加。社会情報インフラ・ソリューションにおいては、 広告系顧客や金融系顧客からの受注の増加。モバイル・ソリューションにおいては、訪問介護業界向けにカスタマイズしたFieldPlus等の製品販売による使用料や保守料は増加したものの、ロードサービス関連顧客が顧客グループ会社へ発注を行う方針に転換したことから同社グループへの発注が減少したが、全体としては収益構造の安定化と利益を確保している。

 2017年7月期業績予想は、売上高38億9600万円(前期比3.8%増)、営業利益1億8700万円(同8.3%増)、経常利益1億9100万円(同9.8%増)、純利益1億5800万円(同9.7%増)を見込む。配当予想は、期末一括20円を予定している。上場で調達した資金は社内システム刷新や東京事務所移転に充当する。

 株価は、上場初日の6月30日に公開価格2560円の2.2倍に相当する5530円で初値をつけ、 同日高値5700円と買い進まれた後。7月6日安値4025円と調整している。成長が見込まれる車載ECU(電子制御ユニット) や電力・ガス自由化によりソフトウェア投資が行われる社会情報インフラ関連企業からの受注を見込んでいる。7月本決算の発表は9月に予定しており、まだ2か月ほど先だが、18年7月期業績予想に対する期待感はある。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AI機能強化でさらに便利に!Siriの進化とChatGPT統合で作業効率向上  Appleは3月…
  2. ■ChatGPT Enterpriseを活用し、業務効率化と新たな価値創造を推進  ふくおかフィナ…
  3. ■2024年度の美容室倒産件数、前年を大幅に上回る197件  帝国データバンクの調査によると、20…
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. ■スタンレー電気など年初来安値銘柄の業績見通しに焦点  日経平均株価が4月に大幅下落する中、年初来…
  2. ■トランプ劇場、急転換の舞台裏!米中摩擦、FRB人事…予測不能な変幻自在  「クルマは急に止まれな…
  3. ■5大商社決算発表を前に高まる投資家の期待感  世界三大投資家の一人ウォーレン・バフェットが日本の…
  4. ■「市場の反乱」の一段落で「市場の勝利」を期待しバフェット流に商社株にバリュー株投資も一考余地  …
  5. ■株価55%高もまだ割安!?記念優待利回り10%超の注目株  10日には米国の関税発動停止を受け、…
  6. ■一喜一憂の投資家心理、トランプ関税「一時停止」の罠  まずフェイクニュースかと目と耳を疑った。次…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る