鍋に入れた株のフタは取るな

 外国には、「見詰めるナベは煮えない」という教えがあるそうです。日本でも「あわてる乞食はもらいが少ない」、「モチは貧乏人に、魚は金持ちに焼かせよ」といった伝えがあります。餅のように焦げやすいものは、せわしくいつもひっくり返して焼かなくてはいけないが、魚はじっくり焼くことが大切ということのようです。もっとも、最近は、餅でもレンジで時間をセットしておけばよいので、ひっくり返すことはありません。格言、教えも時代とともに変わってきています。それでも、外国にも似たような教えがあるということは参考になります。

 外国の「見詰めても」ということは、まだか、まだかと、見詰めていても煮えない、待ちなさいということです。人は答えや結果を早く求めたがる性格があります。スポーツの場合なら、ほとんどのケースでヘッドアップとなってミスにつながります。

 物事というものは、気持ちが急いでも時期が来なくては成就しないものではないでしょうか。酒作り、味噌、醤油作りも時間をかけて寝かせておかなくては良いものができません。農家では種を撒いたら芽が出るまで待ちます。株も同じでしょう。買う前によく研究し目標値を決めます。さらに、作物と同じように、今が、種まきの季節かどうかと同じように、今が投資する環境かどうかを吟味しなくてはいけません。事前の研究、検討をしっかり行うことなく「勘」で投資するから気になって鍋のフタを取りたくなるのです。

 このことは、短期投資であっても中長期投資であっても同じだと思います。短期であっても事前に目標値を研究検討して決めておけば、あわてなくてすみます。要は株式投資も勝負事のひとつですから、「あわてないこと」です。とくに、「事前の研究を行い」、投資したら「待つ気持ち」が大切でしょう。日本には、『人事を尽くして天命を待つ』というすばらしい教えがあります。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国内初、HVO51%混合燃料が建設現場で稼働  大成建設<1801>(東証プライム)とユーグレナ…
  2. ■従来の制作プロセスを刷新しAI時代の人材育成を推進  武蔵精密工業<7220>(東証プライム)は…
  3. ■高速道路で手放し運転が可能に、新開発「Honda SENSING 360+」がACCORDの運転支…
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ピックアップ記事

  1. ■内需株に広がる「トランプ・ディール」回避の波  東京電力ホールディングス<9501>(東証プライ…
  2. ■日米関税交渉、7月9日に運命の日「90日猶予」迫る潮目  「三日、三月、三年」とは、潮目、変わり…
  3. ■祝日と金融政策が交錯する7月  7月は、7月21日が「海の日」が国民の祝日に制定されてからフシ目…
  4. ■「MMGA」効果の造船株・海運株は「海の日」月間キャンペーン相場も加わり一段高を期待  あと1カ…
  5. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  6. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る