【編集長の視点】ハウスドゥは1Q最高業績再評価に11月の月次動向続伸がフォローして急反発

 ハウスドゥ<3457>(東1)は、前日7日に74円高の2204円と4日ぶりに急反発して引け、今年11月10日につけた東証1部への市場変更(2016年12月8日)以来の高値2352円を視界に捉えた。今年11月6日に発表した今2018年6月期第1四半期(2017年7月~9月期、1Q)決算が、V字回復して1Q業績として過去最高を更新したことを再評価して下げ過ぎ訂正買いが再燃した。続いて12月6日に公表した11月の月次IRニュースで、フランチャイズ事業の加盟店が続伸し、ハウス・リースバック事業の保有物件も拡大したことも、業績上ぶれ期待を高めフォローの買い材料視されている。

■フランチャイズ事業の加盟店が続伸しハウス・リースバック事業の保有件数も拡大

 同社の今期1Q業績は、前年同期比15.5%増収、80.9%営業増益、90.6%経常増益、77.8%純益増益で着地し、売り上げは2ケタの続伸となる一方、利益は、成長戦略を積極推進して人件費や広告宣伝費が増加した負担で減益となった前年同期に対してV字回復した。今6月期通期業績に対する業績進捗率も、27%~28%と目安の25%をオーバーした。

 中小不動産事業者や新規参入事業者を全国ネットワーク化して不動産仲介・売買などのノウハウを提供するフランチャイズ事業の累計加盟店が、前2017年7月期末の468店から483店に続伸し、早期達成目標の500店に向けて着実に増加し、不動産オーナーが所有物件を同社に売却後も同社とリース契約を結び同じ物件に居住できるハウス・リースバック事業の保有件数も、同じく513件から564件に拡大し、保有総額が77億5000万円と伸びるなど、ストック型収益事業の収益が積み上がったことが、引き続き推進した人財採用や広告宣伝積極化などの成長戦略負担をカバーしてV字回復要因となった。なお11月月次IRニュースでは、フランチャイズ事業の累計加盟店は、491店、ハウス・リースバック事業の累計保有件数は、599件になお続伸した。

 今2018年6月期業績は、期初予想を据え置き売り上げ171億4600万円(前期比1.8%増)、営業利益16億300万円(同28.4%増)、経常利益14億円(同27.0%増)、純利益9億2000万円(同25.7%増)と見込み、純利益は、2016年6月期の過去最高(7億4100万円)を2期ぶりに大幅に更新するが、1Q好決算や月次動向の好調推移から業績上ぶれ期待を高めている。なお、今期配当は、27円(前期実績20円)と大幅な連続増配を予定している。

■下値確認の25日線から東証1部変更以来の高値を抜け株式分割権利落ち高値にトライ

 株価は、今年7月の配当権利落ち後安値1612円から今期業績の増益転換・連続増配予想を手掛かりに1781円までリバウンドしたが、北朝鮮が絡む地政学リスク懸念の波及で1410円安値まで突っ込んだ。同安値からは、25日移動平均線を探る下ヒゲで下値を確認しつつ下げ過ぎとして上値にトライし、今期1Qの好決算評価で東証第1部への市場変更以来の高値2352円まで急伸した。同高値抜けから2016年3月末割り当てで実施した株式分割(1株を2株に分割)後の権利落ち後高値2710円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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