JSPの第3四半期の売上高は販売数量、高付加価値製品比率の増加等により増収となる

■利益面は原燃料・運送費の値上り等の影響により、営業利益は微増

 発泡樹脂大手のJSP<7942>(東1)の売上高は、第3四半期は、販売数量、高付加価値製品比率の増加や原材料価格上昇に伴う製品価格改定により増収となった。利益面については、原燃料・運送費の価格上昇の影響により営業利益は微増となった。

 国内発泡プラスチック業界は、IT・自動車分野等の回復はあったものの、公共投資・住宅着工数の陰り、水産・農業分野の需要低迷や原燃料価格上昇の影響があり、分野によっては厳しい環境であった。

 そのような状況の中で、同社の第3四半期連結業績は、売上高864億34百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益78億67百万円(同0.1%増)、経常利益79億68百万円(同2.2%減)、純利益58億11百万円(同7.0%減)となった。

 押出事業は、付加価値の高い製品の比率増加や製品価格改定などにより売上は増加した。利益面では、当第3四半期連結会計期間において回復したが、上期における原材料価格上昇の影響が残り減益となった。これらの結果、押出事業の売上高は296億80百万円(同3.1%増)、営業利益は22億63百万円(同10.1%減)となった。

 ビーズ事業は、国内、北米、ブラジル、欧州、アジア(中国・東南アジア・台湾・韓国)での自動車関連向けの販売が堅調であったこともあり、販売数量の増加、製品価格改定の影響により売上は増加した。利益面では、販売数量の増加により増益となった。これらの結果、ビーズ事業の売上高は525億02百万円(同7.5%増)、営業利益は61億76百万円(同4.2%増)となる。

 その他は、一般包材は、国内では、自動車関連の需要は増加したが、売上は前年同期並みであった。中国では、新規需要の立ち上がりの遅れにより売上は減少した。これらの結果、その他の売上高は42億51百万円(同1.3%減)、営業利益は99百万円(同20.0%減)。

 通期連結業績予想については、前回予想を据え置いている。

 ちなみに、18年3月期連結業績予想は、売上高1165億円(前期比6.8%増)、営業利益95億円(同1.2%増)、経常利益97億円(同3.3%減)、純利益67億円(同8.2%減)を見込む。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■銀座の呉服店「むら田」店主・村田あき子の語りをまとめた書籍  KADOKAWA<9468>(東証…
  2. ■長時間立ち仕事や長距離歩行の負担軽減、安全で快適な勤務環境を整備  日本航空(JAL)<9201…
  3. ■「ポケモンフォレスト」と「カヤツリタウン」2エリア構成、冒険とイベントを一体化  よみうりランド…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  2. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  3. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  4. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  5. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…
  6. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る