【チャートで見る株価】インフォコムは13%高の可能性?「斥候足」示現し「出来高分布」で計測

■パピレスへの出資など材料豊富、業績も好調なため株価回復力は強いとの見方

 インフォコム<4348>(JQS)は30日、2日続伸基調となり、2200円(81円高)まで上げて出直り継続となっている。国内最大規模の電子コミックサービス「めちゃコミック」などを展開し、28日付で、電子書籍のパピレス<3641>(JQS)の株式を議決権割合にして9.83%取得すると発表。29日は一時187円高の2266円まで急伸し、引き続き期待の強い展開になっている。

 29日の株価は、取引時間中に大きく上げながらも大引けにかけては伸びきれない形になり、いわゆる「上ひげ」を示現した。「上ひげ」は、大きな上昇相場の中で出現すると天井接近を示唆する罫線として知られるが、反面、下値もみ合いの途上で出現すると「斥候足(せっこうあし)」と呼ばれ、相場の出直りを試す動きが強まってきたときに現れやすいとされている。インフォコムの29日の値動きも、どの辺までなら売り注文が出てこないか、上値を試してみる動きになったとの見方が出ている。

 で、もうひとつ、上値メドを測る道具になる「価格帯別の出来高分布」をみると、2200円前後から2400円前後までは出来高分布が薄くなっている。このことは、過去、このゾーンで大きな売買が行われないままストンと下げてきたことをうかがわせるという。このため、株価が戻る際も、このゾーンは出来高の「真空地帯」になり、それほど抵抗感がないままスルスル上がる可能性があるという。

 こうした見方に基づき、上値が2400円前後まで見込めるとすれば、29日の終値からは13%高(280円高)の上値余地が見込めることになる。業績は好調で、今期も続けて最高益を更新する見込み。2月以降の調整相場は、米国株安に端を発した世界株安に押された面が強いとみられるため、全体相場が安定化すれば株価の回復も強まりやすいと見て注目する様子がある。(HC)

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