【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ジオネクストは太陽光発電所の常時遠隔監視・制御サービスを開始、収益改善のドライバー

銘柄分析

 ジオネクスト<3777>(JQS)は、太陽光発電所を遠隔操作で常時監視・制御するO&Mサービスを本格的に開始する。ストック型ビジネスモデルの収益柱に育成する方針であり、今期(15年12月期)の営業黒字化達成など収益改善のドライバーとして注目される。

 太陽光発電所の運営ではトラブルによる発電量低下を防ぎ、固定価格買い取り制度の20年間を安定稼働させるための運用・保守・管理が重要になる。落雷、飛来物、積雪、雑草などを原因とする設備破損や発電障害から早期に復旧させるだけでなく、侵入者による不法投棄や設備盗難にも注意が必要だ。しかし多くの太陽光発電所では運営コストを抑えるため、電気主任技師やスタッフを発電所内に常駐させるのではなく、巡回などで対応しているのが現状のようだ。

 O&M(Operation & Maintenance)サービスは、太陽光発電所事業者から運用・保守・管理業務を受託するサービスだ。電力会社からの出力抑制要請(電力会社が必要に応じて太陽光発電で発電した電気の買い取りを制限できる制度)にも対応して、監視・制御センターでの遠隔操作で常時監視・制御するためコスト低減と安全な運用が可能となる。

 独自開発した最先端の24時間365日対応常時遠隔監視・制御システム、監視カメラによる犯罪防止のための常時監視、発電データの管理、官公庁への報告書の作成、保安規程に基づく定期点検の実施、草刈・除雪・太陽光パネル清掃といった発電所構内の管理、さらに地域の各種行事・イベントへの参加といった地域との共生までワンストップサービスで受託する。緊急時には当社が手配した電気主任技師やスタッフなどが現地に駆けつけて対応する。

 このほど子会社エリアエナジーの本社(東京都港区)内の監視・制御センターに、最大60ヶ所の太陽光発電所を常時遠隔監視・制御できるシステムと設備を導入した。テスト運用を経て5月を目途に本格稼働を計画している。受託件数が増加すれば監視・制御センターの移転・拡張も検討する。

 再生可能エネルギー固定価格買い取り制度の導入に伴って、大規模太陽光発電所(メガソーラー)運営による売電事業への新規参入が相次いだが、14年秋には九州電力などの電力会社が系統接続申込への回答を一時保留したため、関連業界に混乱が生じる事態となった。

 この事態を打開するため15年1月22日の省令改正により、東京電力、中部電力、関西電力を除く電力7社を「指定電気事業者」として、従来の上限枠(30日)を超える「無制限・無補償の出力制御」の条件付きで系統接続を受け入れる方法を取ることで、系統接続が再開されることとなった。

 つまり今後は、電力会社の出力抑制要請に応じて出力制御ができないと、系統接続申込ができなくなった。出力制御に対応する機器も必要となる。そして太陽光発電所事業者が輪番制で出力を抑制することも検討されているようだ。しかし多くの太陽光発電所では電力会社の出力抑制要請に対応するために、電気主任技師やスタッフを常駐させるなどの体制づくりがコストアップ要因として懸念されている。

 20年間の安定稼働だけでなく上記のような状況も背景として、当社のO&Mサービスが太陽光発電所事業者から注目されているようだ。現時点では競合先がないため先行優位性も生かして、50kw以上~2000kw未満の太陽光発電所を対象として受託件数を拡大させる。

 O&Mサービスによる収入をストック型ビジネスモデルの収益柱として育成する方針であり、今期(15年12月期)の営業黒字化達成など収益改善のドライバーとして注目されるだろう。

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