【編集長の視点】シノケンGは連続の最高業績・増配を見直し株式分割の権利取りもオンして続伸

 シノケングループ<シノケンG、8909>(JQS)は、前日7日に5円高の3495円と続伸して引け、今年4月5日につけた年初来高値3645円を再び視界に捉えた。今2018年12月期業績が、7期連続で過去最高を更新と予想され、この立ち上がりの今期第1四半期(2018年1月~3月期、1Q)業績が、期初計画を上回って着地したことから早くも業績上方修正が観測され、配当も、連続増配が予定されていることを手掛かりに割安修正買いが増勢となった。また、今年6月30日を基準日に株式分割(1株を2株に分割)を予定しており、この権利取りの買い物も上乗せとなって騰勢加速が期待されている。

■今期立ち上がりの1Q業績は期初計画を上ぶれて着地し早くも通期業績の上方修正観測

 同社の今2018年12月期業績は、売り上げ1200億円(前期比13.3%増)、営業利益135億円(同4.5%増)、経常利益132億円(同8.2%増)、純利益92億円(同8.2%増)と7期連続の過去最高更新が予想されている。不動産販売事業では、同社主要顧客の資産形成を目的とするサラリーマン・公務員などの投資意向は、依然と旺盛で、提案するアパアート経営向けのアパート販売が好調に推移し、この販売増に伴い不動産管理関連事業の管理戸数も拡大、入居率もほぼ満室状態と高水準で推移することが要因となる。

 この立ち上がりも、好調持続となった。今年5月9日に発表した今期1Q業績は、売り上げが前年同期比15.1%増と続伸し1Qとして過去最高となるとともに、期初計画を50億円弱上回り、利益は、不動産販売事業のグループ内手数料を利益に計上しない会計方針の変更などで小幅減益転換したが、経常利益は、期初計画を約7億円オーバーして着地した。このため早くも業績上ぶれ期待も高まっており、国内大手証券では、今期の営業利益を140億円と観測している。

 この業績上ぶれは、同社の連続増配の増配幅拡大にも密接に関係してくる。同社の今期配当は、年間60円(中間配当30円、株式分割後の期末配当15円)を予定しているが、今期経常利益が145億2000万円を超えると期末に特別配当3円、158億4000万円を超えると同6円をそれぞれ上乗せする株主還元方針を採用しているためだ。前々期、前期とも業績の上ぶれ着地に伴って期末の特別配当を増配しており、この再現期待を高めて株式分割とともに権利取り妙味を増すだけに、今後の業績推移が要注目となる。

■PERは6倍台と超割安で前回株式分割時の早期落ち埋めを連想し上値トライに弾み

 株価は、前期配当の再々増配に今期業績の連続過去最高更新が加わって2988円まで500円高し、いったん2803円まで調整したが、国内証券の投資判断の「強気」継続、目標株価引き上げで3550円へ切り返した。同高値後の3100円台固めからは、株式分割、民泊対応型アパートの第2号案件の開発着手などの好材料が続いて上値を追い、国内証券の再度の目標株価引き上げを手掛かりに年初来高値3645円まで買い進まれ、25日移動平均線を出没する500円幅の中段固めを続けてきた。PERは6倍台となお超割安水準に放置されており、前回2014年の株式分割では早期に分割権利落ちを埋めたことを連想した分割権利取りで年初来高値を上抜け、さらに上値トライに弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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