【編集長の視点】横浜冷凍は続落も今期業績の2期ぶり過去最高更新を見直し下値に割り負け訂正買いが継続

 横浜冷凍<2874>(東1)は、前日7日に6円安の909円と変わらずを含めて4営業日続落して引けた。ただ、昨年来の底値圏800円台を前に下げ渋る動きも続けた。今年2月14日に発表した今2019年第1四半期(2018年10月~12月期、1Q)業績が、連続減益で着地したことを織り込み済みとして売られ過ぎ訂正買いが下値に入っており、今9月期通期業績が、2期ぶりに過去最高更新と予想されていることも見直されている。テクニカル的にも、昨年12月25日に突っ込んだ昨年来安値827円をボトムに逆三尊底(トリプル・ボトム)の好形チャートを形成したことも、下値岩盤として意識されている。


――――新物流センターが次々と稼働し食品販売事業でも食料資源開発を推進――――

 同社の今9月期1Q業績は、前年同期比15.3%減収、31.1%営業減益、26.4%経常減益、10.0%純益減益と続落した。冷蔵倉庫事業は、昨年2月に東京羽田物流センター、同11月に名港物流センターが各稼働を開始し保管料収入・荷役料の収入増に貢献し、既存物流センターも、付加価値サービスの事業化や保管運送の一貫提案を推進して収益増となったことから売り上げが同9.1%増、営業利益も同0.9%増と順調に推移した。食品販売事業は、売り上げがノルウェーの養殖事業で欧米への輸出事業の取引形態の変更や不漁により価格が高騰しているイカや利益率を下げているホッケなどの影響で売り上げが同19.7%減、営業利益が同83.0%減となったことが要因となった。

 今2019年9月期通期業績は、2017年10月からスタートさせている第6次中期経営計画に基づき冷蔵倉庫事業の革新と進化、食品販売事業の食料資源の開発と安定供給構造の構築を推進することから期初予想に変更はなく、売り上げ1500億円(前期比12.7%減)、営業利益58億円(同20.2%増)、経常利益60億円(同11.7%増)、純利益37億円(同10.7%増)と見込み、売り上げは、ノルウェー輸出事業の取引形態変更で減収転換するものの、利益は2ケタの増益転換となり、純利益は、過去最高の33億6000万円(2017年9月期))を2期ぶりに更新する。なお中期経営計画では、最終年度の2020年9月期の業績目標として売り上げ1600億円、営業利益70億円、経常利益70億円、純利益45億円の達成を掲げている。

――――トリプル・ボトム形成で大底打ちを示唆し低PER・PBR修正へ再発進――――

 株価は、昨年11月に2025年に大阪万博が55年ぶりに開催されることが決定し、会場が、同社の夢洲物流センターが立地する大阪市此花区の夢洲となることで関連人気を高め1003円高値をつけ、昨年12月の世界同時株安に巻き込まれ昨年来安値827円に突っ込んだ。同安値からは、売られ過ぎとして965円までリバウンドし、今期1Q業績発表で再度、下値を探ったが、859円安値で踏み止まり、昨年12月安値をボトムとするトリプル・ボトムの好形チャートを形成し大底打ちを示唆した。PER14倍台、PBR0.6倍、配当利回り2.51%の割り負け修正に再発進、1000円台回復から昨年来高値1206円の奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る