【特集】「究極のディフェンシブ株」はこれだ!ラッキーセブン銘柄

特集

 「究極のディフェンシブ株」として注目したいのが、好需給株である。そのなかから個別事情に応じてより株価感応度の高い銘柄をセレクトするのも、今年の夏相場の宿題としてアプローチしてみたい。

■ETF買いに加え自己株式取得、信用好需給などプラスアルファ

 日銀は、2010年10月からのETF買いでETF市場でのシェアは7割を超え、間接的に上場企業の5割で大株主となっているが、そのなかでも要注目は筆頭株主となっている銘柄である。浮上を期待したいのは、以下のラッキーセブン銘柄となる。

コムシスホールディングス<1721>(東1)は、日銀のETF買いに加えて、増配と自己株式取得による総還元性向70%を目標にする中期経営計画に基づき自己株式取得と連続増配を実施中とダブルの需好転要因がある。業績的にも、5G(第5世代移動通信システム)関連工事本格化を控えて受注続伸、2ケタ増益が続いており、一段の上値追いをサポートする見込みだ。

三菱倉庫<9301>(東1)も、自己株式取得とのダブルの需給効果が期待され、中期計画では3年間に物流と不動産に500億円ずつ1000億円の積極投資を行い、物流企業より不動産企業の内需系人気を高める方向にある。信用取組が拮抗し年初来安値水準から売り方の買い戻しで底上げが期待できるのが住友大阪セメント<5232>(東1)東海カーボン<5301>(東1)、証券会社の投資判断・目標株価引き上げが株価を刺激しそうなのがダイキン工業<6367>(東1)セコム<9735>(東1)、さらに3連休前の9日に日経平均株価への寄与度ランキングでトップとなったテルモ<4543>(東1)も外せない。

■GPIFの保有株式が1億株超の25銘柄は業績不調もカバーして底上げ期待

 一方のGPIFは、今年3月末で国内株式を2380銘柄を保有し、この時価総額は38兆4122億円と東京市場の全時価総額の6%超を占めた。このうち時価総額が大きい順にランキングすると1兆円を超えるトヨタ自動車<7203>(東1)を筆頭に三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>(東1)などのメガバンクの4000億円~6000億円、5855億円の武田薬品工業<4502>(東1)、ソニー<6758>(東1)、ホンダ<7267>(東1)の4000億円台などと続く。

 保有株式数は、23億株を上回るみずほフィナンシャルグループ<8411>(東1)を一番手に、1億株超が25社にも達している。トヨタ、ホンダ、日産自動車<7201>(東1)は、中国への制裁関税第4弾発動と業績下方修正が重なって年初来安値水準まで急落したが、下げ渋りの動きもみせており、日銀とGPIFによる好需給期待が少なからず働いている。今2020年3月期第1四半期業績がV字回復して市場予想を上回り、株価が急伸した野村ホールディングス<8604>のGPIFの保有株式数は2兆株を超え、このほか旭化成<3407>(東1)、住友化学工業<4005>(東1)、伊藤忠商事<8001>(東1)、丸紅<8002>(東1)、三井物産<8031>(東1)、KDDI<9433>(東1)などは、低PER・PBR修正による底上げをサポートし、逆張り要因として期待される。

【関連記事情報】
【どう見るこの相場】秋風懸念の夏相場は「究極の需要主体」の日銀・GPIF関連株へのディフェンシブ対応も

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る