建設技術研究所は96年来の高値圏、19年12月期2桁増益予想

日インタビュ新聞ロゴ

 建設技術研究所<9621>(東1)は総合建設コンサルタント大手で、マルチインフラ&グローバル企業を目指している。インフラ整備関連の需要が高水準に推移して19年12月期2桁増益予想である。そして上振れの可能性が高いだろう。20年12月期も収益拡大を期待したい。株価は96年来の高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■総合建設コンサルタント大手

 総合建設コンサルタント大手で河川・ダム・海岸・海洋、道路、橋梁、トンネル、都市・地方計画などの分野に強みを持っている。海外では英Waterman Group Plc(ロンドン証券取引所上場)を連結子会社化している。収益面では案件ごとの採算性や売上計上時期によって四半期収益が変動しやすい特性がある。

 中長期ビジョン「CLAVIS2025」では、マルチインフラ&グローバル企業を目指し、目標値に25年単体受注高400億円、連結受注高600億円を掲げている。

 18年2月AIベンチャーの知能技術(大阪市)と資本業務提携、18年3月関東地方整備局北首都国道事務所と無人航空機による災害応急対策活動(撮影等)に関する協定を締結、18年10月エスプール<2471>と契約して障がい者雇用のCTIフレッシュグリーン農場を開園した。

■19年12月期2桁増益予想で上振れの可能性

 19年12月期の連結業績予想は、売上高が18年12月期比6.1%増の620億円、営業利益が16.5%増の35億50百万円、経常利益が13.7%増の36億円、純利益が18.8%増の22億50百万円としている。受注高は4.8%増の630億円の計画である。近年頻発する広域的で大規模な自然災害への防災・減災対策など、国土強靭化・インフラ整備関連の需要が高水準に推移する見込みだ。配当予想は18年12月期と同額の25円(期末一括)である。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比5.0%増の462億31百万円、営業利益が48.6%増の34億18百万円、経常利益が47.3%増の34億90百万円、純利益が64.8%増の21億63百万円だった。需要が高水準に推移して大幅増益だった。受注高は20.1%増の589億41百万円だった。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が74.6%、営業利益が96.3%、経常利益が96.9%、純利益が96.1%となり、通期利益予想をほぼ達成している。通期予想は上振れの可能性が高いだろう。20年12月期も収益拡大を期待したい。

■株価は96年来の高値圏

 株価は96年来の高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。12月5日の終値は2065円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS159円12銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の25円で算出)は約1.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1950円54銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約292億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■歯周病の進行抑制に向け、老廃物除去と免疫調整の2軸で研究  ライオン<4912>(東証プライム)…
  2. ■バリア性能と印刷適性を両立、2030年までに10億円売上目指す  大日本印刷<7912>(東証プ…
  3. ■胃がん・大腸がん対策で「Train the Trainerプログラム」を展開  オリンパス<77…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  2. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…
  3. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  4. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…
  5. ■価格改定効果に加え9月以降の値上げで業績上乗せが期待される銘柄  今週の当コラムは、9月に価格改…
  6. ■9月1日に値上げラッシュの食品株は日銀バトルで小緩んでも株高持続性  まさに「パウエル・プット」…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る