生化学工業と小野薬品工業が共同開発の変形性関節症治療剤について国内第Ⅲ相臨床試験の結果を発表

◇膝関節腔内に4週ごとに6回投与し、統計学的な有意差が認められる

生化学工業<4548>(東1)小野薬品工業<4528>(東1)は、共同開発を進めている変形性関節症治療剤ONO-5704/SI-613について、変形性膝関節症患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験の結果が、2020年6月11日(木)から8月31日(月)にオンライン学術総会として開催中の第93回日本整形外科学会学術総会で発表された。

 本試験は、変形性膝関節症患者440例を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験で、ONO-5704/SI-613またはプラセボ(偽薬)を膝関節腔内に4週ごとに6回投与 し、有効性と安全性を検討した。主要評価項目であるWOMAC痛みスコア(膝の痛みの評価指標、100mmVASスケー ル)において、初回投与後12週間(4週ごとに3回投与)の投与前ベースラインからの平均変化量のONO-5704/SI-613 群とプラセボ群の群間差は-6.1mm であり、統計学的な有意差が認められた(p<0.001) 。また、初回投与後24週間の平均変化量の群間差においても、 ONO-5704/SI-613群はプラセボ群に対し統計学的な有意差(-5.6㎜)が認められた(p=0.001)。 さらに、副次評価項目であるWOMACこわばりスコア及び日常行動の困難度スコアにおいては、初回投与後12週間のベースラインからの平均変化量について、ONO-5704/SI-613群はプラセボ群に対し統計学的な有意差が認められた。安全性の評価においては、有害事象の発生頻度に両群間で差は認められず、また、臨床上の顕在化した問題は認められなかった。

 なお、生化学工業は、2020年1月に、本試験及び他の2つの第Ⅲ相臨床試験の結果に基づき、国内においてONO-5704/SI-613の変形性関節症(膝関節、股関節、足関節)の効能又は効果に係る製造販売承認申請を行っている。 小野薬品と生化学工業は、変形性関節症(膝関節、股関節、足関節)における新たな治療の選択肢を提供するために早期の承認取得に向けて取り組んでいる。

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