【特集】「転ばぬ先の杖」で円高進行で恩恵を受ける円高メリット株に注目

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 「二日新甫」シナリオにどう備える?今週の当特集では、ちょっと気が早いが「転ばぬ先の杖」で円高進行で恩恵を受ける円高メリット株に注目することにした。円高メリット株といえば、かつてはまず円高差益還元の電気料金引き下げを繰り返した電力株が、円高不況対策の優等生として買われた。しかし電力株は、業界トップ、第2位の東京電力<9501>(東1)と関西電力<9503>(東1)が、原発事故や金品受領問題で半身不随状態にある。それだけに関連株の取捨選択には工夫が必要になるが、消費関連のSPA(製造小売り)株や安値期日が到来する好信用需給株などが浮上する展開も想定させる。

■アパレル、家具、靴、自転車のSPA株が存在感を発揮

 SPAの代表株は、アパレルのファーストリテイリング<9983>(東1)である。前2020年8月期業績を3回も下方修正したが、月次売上高が想定を上回って2ケタ増で推移し、株価も年初来高値まで買われたが、今年10月15日予定の決算発表で2021年8月期業績をどのようにガイダンスするかがポイントとなる。続くのが、9月28日に業績を上方修正したばかりのしまむら<8227>(東1)で、アダストリア<2685>(東1)、ユナイテッドアローズ<7606>(東1)は、なお赤字業績と月次売上高のマイナスが続いており、月次売上高のプラス転換を待ちたい。

 家具のSPAでは業績を上方修正したニトリホールディングス<9843>(東1)をリ-ダーに良品計画<7453>(東1)も追随し、輸入建材のアドヴァン<7463>(東1)や小型株のカッシーナ・イクスシー<2777>(JQS)、ミサワ<3169>(東1)、大塚家具<8186>(JQS)も外せない。靴のエービーシー・マート<2670>(東1)、自転車のあさひ<3333>(東1)も、元気印し銘柄の一角を占めそうだ。

 素材産業では原料パルプ安と除菌ウエット関連人気が相乗する大王製紙や「Go Toイート」関連の特種東海製紙<3708>(東1)、通販向けの段ボール需要拡大のレンゴー<3941>(東1)、トーモク<3946>(東1)などが存在感を発揮し、水産株の極洋<1301>(東1)、日本水産<1332>(東1)、マルハニチロ<1333>(東1)の低PER・PBR放置も見直されよう。

■安値期日到来の信用好需給株も悪目買いが一考余地

 円高なら即海外旅行関連株の条件反射スタンスは、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)で業績的に瀕死状態となっている日本航空<9201>(東1)、ANAホールディングス<9202>(東1)には適用しにくい。しかし両社とも、今年4月の安値の安値期日が迫って信用取組は株不足で逆日歩がついており、好需給を手掛かりに逆張り素地がある。

 同じく旅行代理店のエイチ・アイ・エス<9603>(東1)、KNT-CTホールディングス<9726>(東1)、さらに外食産業のサイゼリヤ<7581>(東1)も安値期日接近で信用好需給となっており、悪目買いも一考余地がありそうだ。

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