フェローテックホールディングスは21年3月期大幅増益予想

(決算速報)
 フェローテックホールディングス<6890>(JQ)は2月12日の取引時間終了後に21年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。需要が回復基調となって大幅増益だった。なお2月10日に通期の連結業績予想と配当予想を上方修正して、大幅増益予想および増配予想としている。株価は1月の昨年来高値圏から利益確定売りで一旦反落したが、上方修正を好感して急反発している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■21年3月期3Q累計大幅増益、通期上方修正して大幅増益予想

 21年3月期第3四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比9.5%増の665億40百万円、営業利益が27.5%増の62億49百万円、経常利益が64.8%増の57億58百万円、四半期純利益が3.3倍の65億10百万円だった。

 需要が回復基調となって大幅増益だった。半導体等装置関連事業は14.2%増収で3.7%増益、電子デバイス事業は21.0%増収で58.4%増益だった。なお営業外収益では持分法投資利益が増加、営業外費用では為替差損が減少した。

 特別利益には、半導体ウェーハ事業を展開する中国のFTHW(同社の子会社2社を含む3社)が、連結子会社から持分法適用関連会社に異動したことに伴って、持分変動利益52億45百万円を計上した。特別損失には、太陽電池事業およびCVD-SiC事業に関する減損損失20億75百万円を計上した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高205億26百万円で営業利益15億60百万円、第2四半期は売上高210億69百万円で営業利益23億53百万円、第3四半期は売上高249億45百万円で営業利益23億36百万円だった。

 通期連結業績予想(2月10日に上方修正)は売上高が20年3月期比9.1%増の890億円、営業利益が49.7%増の90億円、経常利益が87.6%増の80億円、当期純利益が3.9倍の70億円としている。

 需要が回復基調となって従来予想を上回る見込みだ。半導体ウェーハ事業は当面、営業利益ベースで赤字が見込まれるため、中国のFTHWが連結子会社から持分法適用関連会社に異動したことも営業・経常利益押し上げ要因となる。なお配当予想も期末2円上方修正して、2円増配の26円(第2四半期末12円、期末14円)としている。

■株価は上値試す

 株価は1月の昨年来高値圏から利益確定売りで一旦反落したが、上方修正を好感して急反発している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。2月12日の終値は1859円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS188円37銭で算出)は約10倍、時価総額は約693億円である。

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