カナモトは21年10月期1Q減益だが進捗率順調

(決算速報)
 カナモト<9678>(東1)は3月5日の取引時間終了後に21年10月期第1四半期決算を発表した。公共投資が堅調に推移して増収だが、将来を見据えた人財投資で減益だった。通期の増収増益予想は据え置いた。第1四半期の進捗率が順調であり、通期ベースで収益拡大を期待したい。株価はモミ合いから上放れの形となった。目先的には減益を嫌気する可能性もあるが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■21年10月期1Q増収減益、通期増収増益予想据え置き

 21年10月期第1四半期の連結業績は、売上高が前年同期比4.9%増の476億60百万円、営業利益が6.7%減の39億81百万円、経常利益が3.7%減の42億06百万円、四半期純利益が10.7%減の22億65百万円だった。

 売上面では、民間投資が低調だったが、公共投資(災害復旧工事、インフラ関連工事、防災関連工事など)が堅調に推移し、全体として建機レンタル需要が順調に伸長した。中古建機販売も期初計画どおりの売却を進めた。利益面では将来を見据えた人財投資など、先行投資負担で販管費が増加したため減益だった。建設関連は5.8%増収だが8.4%減益、その他は3.0%減収だが15.1%増益だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が20年10月期比6.3%増の1903億円、営業利益が5.3%増の150億円、経常利益が6.5%増の152億円、当期純利益が6.3%増の90億円としている。配当予想は5円増配の70円(第2四半期末25円、期末45円)である。

 中期的需要見通しに対する資産の最適保有と機種構成を確保し、変化に対応したイノベーション、業務効率化や生産性向上などで収益力強化を図るとしている。第1四半期の進捗率は売上高25.0%、営業利益26.5%、経常利益27.7%、純利益25.2%と順調だった。国土強靭化関連など公共投資が堅調であり、通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株価はモミ合い上放れ

 株価は水準を切り上げてモミ合いから上放れの形となった。目先的には減益を嫌気する動きが優勢になる可能性もあるが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。3月5日の終値は2574円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS238円08銭で算出)は約11倍、時価総額は約997億円である。

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