ソーバルはモミ合い上放れの動き、22年2月期増収・大幅営業増益予想

日インタビュ新聞ロゴ

 ソーバル<2186>(JQ)は組み込みソフト開発などエンジニアリング事業を展開し、重点施策として請負拡大による高収益化や新規技術分野の開拓を推進している。21年2月期減収減益だが各利益は計画超で着地した。22年2月期は既存顧客との取引規模拡大や新規顧客開拓などで増収・大幅営業増益予想としている。収益拡大を期待したい。株価はモミ合いから上放れの動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。

■組み込みソフト開発などエンジニアリング事業を展開

 組み込みソフト開発、ウェブ・スマホアプリ開発、ハードウェア設計・開発などのエンジニアリング事業を展開している。技術力と経験豊富な人材を合わせ持つ独立系組み込みソフト開発企業で、優良な大口顧客と強固な信頼関係を構築していることも特徴だ。

 21年2月期の顧客別売上構成比はソニーグループが28.5%、キヤノングループが13.4%、富士通グループが12.4%、リクルートグループが4.4%、日立グループが4.1%、トヨタグループが3.5%、NTTグループが2.9%、その他が30.8%だった。キヤノングループとの取引が減少した一方で、ソニーグループ、リクルートグループ、トヨタグループとの取引が増加して構成比も上昇した。

 契約種別では請負比率が20年2月期比13.3ポイント上昇して72.8%となった。21年2月期については派遣業務縮小の影響が大きいとしている。新規顧客開拓時には派遣契約から入ることもあり、22年2月期は揺り戻しの可能性もある。引き続き請負業務受注拡大に努め、請負比率70%~80%を目指すとしている。

■請負拡大による高収益化を推進

 成長に向けた重点施策として、請負業務拡大による収益構造の転換、優良顧客からの継続受注、顧客や分野の多様化、自動車・AI・IoTなど新規技術分野の開拓、部門間のクロスセル体制強化、プロジェクト管理体制強化による不採算化抑制、人材の採用・教育など人材投資の強化、国内外の外部委託先(パートナー企業)との長期的なリレーション構築の強化、アライアンスによる新規分野収益案件の獲得などを推進している。

■21年2月期は減益だが計画超で着地、22年2月期は大幅営業増益予想

 21年2月期の連結業績は、売上高が20年2月期比9.7%減の75億31百万円、営業利益が60.3%減の2億51百万円、経常利益が13.7%減の5億57百万円、親会社株主帰属当期純利益が13.2%減の3億78百万円だった。配当は2円増配の32円(第2四半期末16円、期末16円)とした。

 新型コロナウイルスの影響による主要顧客からの業務縮小で減収減益だった。ただしコスト削減効果、雇用調整助成金の期間延長などで、各利益は従来予想を上回って着地した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高18億87百万円で営業利益1億42百万円、第2四半期は売上高17億58百万円で営業利益0百万円、第3四半期は売上高19億04百万円で営業利益39百万円、第4四半期は売上高19億82百万円で営業利益70百万円だった。

 22年2月期の連結業績予想は、売上高が21年2月期比7.5%増の81億円、営業利益が130.4%増の5億80百万円、経常利益が7.6%増の6億円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%減の3億76百万円としている。配当予想は記念配当を実施し、1円増配の33円(第2四半期末16円、期末17円=普通配当16円+40周年記念配当1円)としている。連続増配となる。

 既存顧客との取引規模拡大や新規顧客開拓などで増収・大幅営業増益予想としている。高採算が見込める顧客・技術分野の開拓も継続する方針だ。収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年8月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年8月31日現在1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有株式数に応じてQUOカードを贈呈(詳細は会社HP参照)する。

■株価はモミ合い上放れの動き

 株価は下値固め完了してモミ合いから上放れの動きを強めている。戻りを試す展開を期待したい。4月16日の終値は990円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47円79銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の33円で算出)は約3.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS409円71銭で算出)は約2.4倍、時価総額は約81億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る