加賀電子は22年3月期も営業・経常増益予想

(決算速報)
 加賀電子<8154>(東1)は5月13日の取引時間終了後に21年3月期連結業績(4月28日に上方修正)を発表した。電子部品需要が想定以上に回復し、従来の営業・経常減益予想から一転して2桁営業・経常増益で着地した。配当も上方修正して増配とした。さらに22年3月期も営業・経常増益予想としている。収益拡大を期待したい。株価は営業・経常増益予想を評価して反発の動きを強めている。上値を試す展開を期待したい。

■21年3月期2桁営業・経常増益着地、22年3月期も営業・経常増益予想

 21年3月期連結業績(4月28日に売上高、利益とも上方修正)は売上高が20年3月期比4.8%減の4223億65百万円、営業利益が14.5%増の114億67百万円、経常利益が10.9%増の112億41百万円、親会社株主帰属当期純利益が94.8%増の113億99百万円だった。配当(4月28日に期末特別配当10円上方修正)は、10円増配の80円(第2四半期末30円、期末50円=普通配当30円+特別配当20円)とした。

 電子部品需要が想定以上に回復し、従来の営業・経常減益予想から一転して2桁営業・経常増益で着地した。セグメント別利益は電子部品事業が8.6%増益、情報機器事業が45.3%増益、ソフトウェア事業が11.4%増益、その他事業が4.9%増益だった。特別利益には負ののれん発生益79億63百万円を計上した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高841億30百万円で営業利益16億56百万円、第2四半期は売上高1047億29百万円で営業利益27億78百万円、第3四半期は売上高1054億07百万円で営業利益30億83百万円、第4四半期は売上高1280億99百万円で営業利益39億50百万円だった。回復ペースが加速している。

 22年3月期の連結業績予想は、売上高が21年3月期比11.3%増の4700億円、営業利益が13.4%増の130億円、経常利益が6.7%増の120億円、親会社株主帰属当期純利益が29.8%減の80億円としている。配当予想は21年3月期と同額の80円(第2四半期末40円、期末40円)である。

 当期純利益は負ののれん発生益が剥落して減益だが、電子部品やEMSの需要が回復基調であり、増収、営業・経常増益予想としている。収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は営業・経常増益予想を評価して反発の動きを強めている。上値を試す展開を期待したい。5月13日の終値は2515円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS291円20銭で算出)は約9倍、時価総額は約722億円である。

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