クリナップは23年3月期3Q累計減益だが進捗率順調、通期上振れの可能性

(決算速報)
 クリナップ<7955>(東証プライム)は2月6日の取引時間終了後に22年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。原材料価格高騰の影響で減益だった。ただし売上面はシステムキッチン「STEDIA」の好調や価格改定効果などで2桁増収だった。そして通期の小幅増収増益予想を据え置いた。第3四半期累計の進捗率が順調であり、下期からの価格改定効果なども勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性が高いだろう。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は22年12月の昨年来高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。指標面の割安感も評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年3月期3Q累計減益だが進捗率順調、通期上振れの可能性

 23年3月期第3四半期累計連結業績は売上高が前年同期比10.0%増の941億12百万円、営業利益が22.5%減の31億71百万円、経常利益が19.4%減の35億94百万円、親会社株主帰属四半期純利益が11.0%減の26億07百万円だった。

 原材料価格高騰の影響で減益だった。ただし売上面は、22年2月にモデルチェンジした主力のシステムキッチン「STEDIA」の好調や、22年9月からの価格改定効果などで2桁増収だった。海外では22年10月から、現地の生活様式に合わせたモデルの現地生産を開始した。部門別売上高は、厨房部門が12.8%増の759億09百万円、浴槽・洗面部門が2.0%増の120億22百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が292億06百万円で営業利益が6億26百万円、第2四半期は売上高が321億04百万円で営業利益が11億31百万円、第3四半期は売上高が328億02百万円で営業利益が14億14百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比4.1%増の1180億円、営業利益が5.4%増の40億円、経常利益が4.9%増の44億70百万円、親会社株主帰属当期純利益が1.4%増の32億円としている。配当予想は22年3月期比3円増配の26円(第2四半期末13円、期末13円)としている。

 不透明感を考慮して通期の小幅増収増益予想を据え置いた。ただし第3四半期累計の進捗率は売上高が79.8%、営業利益が79.3%、経常利益が80.4%、親会社株主帰属当期純利益が81.5%と順調であり、下期からの価格改定効果なども勘案すれば通期会社予想は上振れの可能性が高いだろう。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は22年12月の昨年来高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。指標面の割安感も評価して上値を試す展開を期待したい。2月6日の終値は639円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS86円74銭で算出)は約7倍、今期予想配当利回り(会社予想の26円で算出)は約4.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1481円01銭で算出)は約0.4倍、そして時価総額は約239億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ピックアップ記事

  1. ■祝日と金融政策が交錯する7月  7月は、7月21日が「海の日」が国民の祝日に制定されてからフシ目…
  2. ■「MMGA」効果の造船株・海運株は「海の日」月間キャンペーン相場も加わり一段高を期待  あと1カ…
  3. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  4. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  5. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  6. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る