巴工業は上値試す、21年10月期は再上振れの可能性

(決算速報)
 巴工業<6309>(東1)は3月11日の取引時間終了後に21年10月期第2四半期累計連結業績を発表した。需要が回復基調となって大幅増収増益だった。通期予想(6月4日に上方修正)は従来の減益予想から一転して増益予想としている。さらに再上振れの可能性が高いだろう。株価は上方修正を好感して年初来高値を更新している。目先的には材料出尽くしとなる可能性もあるが、好業績を評価して自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■21年10月期2Q累計大幅増収増益、通期は再上振れの可能性

 21年10月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比15.6%増の230億48百万円と伸長し、営業利益が38.6%増の19億34百万円、経常利益が40.9%増の19億58百万円、四半期純利益が60.4%増の14億58百万円だった。

 需要が回復基調となって大幅増収増益だった。機械製造販売事業は36.8%増収で51.5%増益だった。国内官需工事の大型案件や中国を中心とする海外向け機械などが牽引した。収益性の高い部品・修理の増収も寄与した。化学工業製品販売事業は7.7%増収で28.8%増益だった。工業材料・鉱産分野の自動車向け材料、化成品分野の塗料・インキ用途向け材料や添加剤、電子材料分野の半導体製造装置向け材料を中心に増加した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高106億06百万円で営業利益6億49百万円、第2四半期は売上高124億42百万円で営業利益12億85百万円だった。

 通期連結業績予想(6月4日に上方修正)は売上高が20年10月期比11,4%増の437億円、営業利益が4.4%増の23億60百万円、経常利益が3.7%増の23億80百万円、親会社株主帰属当期純利益が15.5%増の17億70百万円としている。配当予想は据え置いて20年10月期比2円増配の50円(第2四半期末25円、期末25円)としている。

 従来の減益予想から一転して増益予想とした。自動車分野を中心に需要が回復基調となり、化学工業製品販売事業の売上高が従来予想を上回る見込みだ。第2四半期累計の進捗率は売上高52.7%、営業利益81.9%、経常利益82.3%、純利益82.4%と高水準である。通期予想は再上振れの可能性が高いだろう。

■株価は上値試す

 株価は上方修正を好感して年初来高値を更新している。目先的には材料出尽くしとなる可能性もあるが、好業績を評価して自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。6月9日の終値は2213円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS177円39銭で算出)は約12倍、時価総額は約233億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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