パイプドHDは22年2月期3Q累計大幅営業・経常増益

(決算速報)
 パイプドHD<3919>(東1)は12月28日の取引時間終了後に22年2月期第3四半期累計の連結業績を発表した。主力のホリゾンタルDX事業のクラウドにおけるコロナ禍関連の受注が牽引して大幅営業・経常増益だった。通期は小幅営業・経常増益予想としている。さらに再上振れ余地がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。なお新市場区分に関して12月15日にスタンダード市場選択申請を発表している。株価は10月の高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■22年2月期3Q累計大幅営業・経常増益

 22年2月期第3四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比23.4%増の56億39百万円、営業利益が42.9%増の11億73百万円、経常利益が47.2%増の12億02百万円、親会社株主帰属四半期純利益が1.9%減の7億53百万円だった。

 親会社株主帰属四半期純利益は前期計上の投資有価証券売却益が剥落して小幅減益だったが、主力のホリゾンタルDX事業のクラウドにおけるコロナ禍関連の受注が牽引し、カスタマーエンゲージメント事業における広告関連や、CRMソリューションの大型案件なども寄与して大幅増収、大幅営業・経常増益だった。

 ホリゾンタルDX事業のクラウドは売上高が26.7%増の39億97百万円で営業利益が48.6%増の14億57百万円、ソリューションは売上高が5.5%増の2億73百万円で営業利益が18.3%減の72百万円、バーティカルDX事業のxTechは売上高が12.7%増の1億47百万円で営業利益が11.9%減の12百万円、社会イノベーションは売上高が14.1%増の75百万円で営業利益が15百万円の損失(前年同期は16百万円の損失)、カスタマーエンゲージメント事業の広告は売上高が22.4%増の6億62百万円で営業利益が17.0%増の2億54百万円、CRMソリューションは売上高が16.1%増の4億83百万円で営業利益が69百万円の損失(同70百万円の損失)だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が19億35百万円で営業利益が5億49百万円、第2四半期は売上高が18億60百万円で営業利益が2億75百万円、第3四半期は売上高が18億44百万円で営業利益が3億49百万円だった。

 通期連結業績予想(6月30日に上方修正)は据え置いて、売上高が21年2月期比11.9%増の73億円、営業利益が5.1%増の15億円、経常利益が3.1%増の15億円、親会社株主帰属当期純利益が26.6%減の9億円としている。配当予想は2円増配の25円(第2四半期末11円、期末14円)としている。

 通期は小幅営業・経常増益予想としている。コロナ禍関連が一過性の性質であることを踏まえると、第4四半期は第3四半期以上の業績を見込みにくいとしている。ただし第3四半期累計の進捗率は売上高が77.2%、営業利益が78.2%、経常利益が80.1%、親会社株主帰属当期純利益が83.7%と概ね順調である。通期予想に再上振れ余地がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は10月の高値圏から反落したが調整一巡感を強めている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。12月28日の終値は2509円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS115円23銭で算出)は約22倍、時価総額は約206億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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