インテージホールディングスは22年6月期3Q累計2桁営業増益と順調

(決算速報)
インテージホールディングス<4326>(東証プライム)は、5月11日の取引時間終了後に22年6月期第3四半期累計連結業績を発表した。主力のマーケティング支援(消費財・サービス)においてパネル調査が好調に推移し、増収・2桁営業増益だった。なお第3四半期累計の各利益は通期予想を超過達成しているが、先行投資の一部が第4四半期に後倒しとなったため通期予想は据え置いている。ただし成長投資を吸収して再上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■22年6月期3Q累計2桁営業増益、通期予想据え置きだが上振れの可能性

22年6月期第3四半期累計連結業績(収益認識基準適用だが影響軽微)は、売上高が前年同期比4.2%増の470億20百万円、営業利益が13.7%増の50億52百万円、経常利益が2.0%増の52億72百万円、親会社株主帰属四半期純利益が1.9%減の37億01百万円だった。なお収益認識基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が11百万円増加、売上原価が2百万円増加、営業利益、経常利益、税金等調整前四半期純利益がそれぞれ9百万円増加している。

増収・2桁営業増益だった。主力のマーケティング支援(消費財・サービス)事業においてパネル調査が好調に推移し、マーケティング支援(ヘルスケア)事業およびビジネスインテリジェンス事業の減収をカバーした。利益面では先行投資の一部が第4四半期に後倒しとなったことも寄与した。

マーケティング支援(消費財・サービス)事業は、売上高が9.0%増の302億62百万円で、営業利益が41.0%増の27億24百万円だった。国内では主力のパネル調査が好調に推移し、CR(カスタムリサーチ)も伸長した。リモート環境にシフトした営業活動やサービスが定着した。海外もオンライン調査を主業務とするデータスプリング社が好調だった。

マーケティング支援(ヘルスケア)事業は、売上高が1.9%減の113億74百万円で、営業利益が5.8%減の20億16百万円だった。主力のリサーチ事業が人材教育強化やリソース再配置の影響で前年を下回った。CROの製造販売後調査は抜本的な改善の取り組みで収益性が改善傾向である。データサイエンス事業は臨床開発業務の稼働率が高水準で推移した。

ビジネスインテリジェンス事業は、売上高が6.5%減の53億84百万円で、営業利益が15.8%減の3億11百万円だった。インテージテクノスフィアでコロナ禍の影響が大きい旅行業界向けのソリューションが苦戦した。

なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が138億04百万円で営業利益が8億82百万円、第2四半期は売上高が153億27百万円で営業利益が17億52百万円、第3四半期は売上高が178億89百万円で営業利益が24億18百万円だった。

通期の連結業績予想(22年2月7日付で上方修正)は据え置いて、売上高が21年6月期比5.6%増の608億円、営業利益が4.0%増の46億円、経常利益が2.3%増の52億円、親会社株主帰属当期純利益が6.8%増の36億円としている。配当予想も据え置いて21年6月期と同額の35円(期末一括)としている。

第3四半期累計の各利益は通期予想を超過達成しているが、先行投資の一部が第4四半期に後倒しとなったため通期予想は据え置いている。ただし成長投資を吸収して再上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる展開だが、大きく下押す動きも見られない。調整一巡して出直りを期待したい。5月11日の終値は1546円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS90円88銭で算出)は約17倍、時価総額は約625億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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