【注目銘柄】第一稀元素化学工業は6期ぶり過去最高純益更新を見直し割安修正へ

注目銘柄

 第一稀元素化学工業<4082>(東証プライム)は、今年5月13日に3月期決算を発表しており、今2023年3月期純利益が、前期に続き大幅増益と予想され、6期ぶりに過去最高を更新し市場コンセンサスも上回っていることを見直し割安修正買いが再燃している。テクニカル的にも5日移動平均線が、25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆して、側面支援材料視されている。

■EV向け電子材料の需要が拡大し前期計上の特別損失も一巡

 同社の今2023年3月期業績は、売り上げ345億円(前期比17.5%増)、営業利益48億円(27.4%増)、経常利益48億円(同20.0%減)、純利益39億円(同2.10倍)と増減マチマチと予想されている。環境規制の強化でハイブリッド車向けなどの高機能の自動車用触媒材料が続伸し、カーボンニュートラルへの対応で自動車電動(EV)化が加速して電子材料やセラミックスの需要が拡大することなどが寄与する。経常利益は、前期に計上したベトナム子会社向けに発生した為替差益約が一巡することなどから減益転換し、純利益は、前期に計上したベトナムの鉱物会社関連の特別損失が一巡して大幅続伸する。純利益は、2017年3月期の過去最高(37億3200万円)を更新し、市場コンセンサスも約12億円上回る。

 配当は、昨年10月の前期業績の1回目の上方修正時に前期配当を年間23円(前々期実績18円)に増配し、今期は32円と大幅な連続増配を予定している。

■PER6倍、PBR0.8倍、配当利回り2・9%の修正をミニGCがサポート

 株価は、昨年10月の前期業績の1回目の上方修正と増配で1555円高値をつけ、前期第3四半期業績の開示時の今年2月には業績の再修正がなかったことが響き年初来安値870円まで大きく調整し、期末の配当権利取りで1049円、今年4月の前期業績の2回目の上方修正では1030円の高値をつけ、900円台下位固めからは今期業績の続伸予想で1072円と買い直されて1000円大台でもみ合ってきた。PERは6.7倍、PBRは0.8倍、配当利回りは2.96%と割安で、テクニカル的にも5日線が25日線を上抜くミニGCを示現して上昇トレンド転換を示唆している。今年5月の戻り高値1072円を上抜いたここからは、まず年初来高値1283円の奪回に弾みをつけよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ポケモンセンターヨコハマに続く2店舗目、地域活性化にも期待  丸井グループ<8252>(東証プラ…
  2. ■ベンチマークで高評価、企業向けLLMの新たな選択肢  リコー<7752>(東証プライム)は4月3…
  3. ■第1弾の渡航レポート公開、夢への挑戦を可視化  日本航空(JAL)<9201>(東証プライム)は…
2025年5月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

ピックアップ記事

  1. ■木徳神糧と三菱食品、逆行高の先駆けとなる動き  食料品の消費税減税関連株に新たな動きが見られる。…
  2. ■トランプ大統領「米国株は絶好の買い時」英国との関税合意後に発言  米国のトランプ大統領が、またま…
  3. ■スタンレー電気など年初来安値銘柄の業績見通しに焦点  日経平均株価が4月に大幅下落する中、年初来…
  4. ■トランプ劇場、急転換の舞台裏!米中摩擦、FRB人事…予測不能な変幻自在  「クルマは急に止まれな…
  5. ■5大商社決算発表を前に高まる投資家の期待感  世界三大投資家の一人ウォーレン・バフェットが日本の…
  6. ■「市場の反乱」の一段落で「市場の勝利」を期待しバフェット流に商社株にバリュー株投資も一考余地  …

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る