マーチャント・バンカーズグループの創薬ベンチャー・バイオジップコードが自社ブランドの冬虫夏草を発売

■純国産、無菌飼育の蚕を用いた独自の培養方法で

 マーチャント・バンカーズ<3121>(東証スタンダード)は7月11日の午後、2022年1月に設立した創薬ベンチャーの株式会社バイオジップコードが、自社ブランドの健康食品やサプリメントを販売する事業の第1弾として、8月上旬から、「バイオジップコード」ブランドの冬虫夏草の販売を開始すると発表した。

 バイオジップコードは、滋賀医科大学との産学連携体制のもと、糖尿病などの難治性疾患を完治する治療薬の事業化に向けて、研究開発を推進しているが、並行して収益部門の確保にもつとめている。

■健康食品・サプリメント販売事業の第1弾、8月上旬から

 バイオジップコードは、22年6月27日付で、自社ブランドの健康食品やサプリメントを販売する事業への取組みを開始したが、今般、その第1弾として、「バイオジップコード」ブランドの冬虫夏草の販売を開始する。8月上旬より、マーチャント・バンカーズの子会社・株式会社ケンテンの運営するショッピングサイト「ケンテン×ラファン」での販売を開始し、店舗やインターネットなど、販路チャネルを拡大していく。

 冬虫夏草は、チベットが原産の、オオコウモリガの幼虫に寄生するきのこの一種で、中国では、4000年以上の歴史の中で、不老長寿(アンチエイジング)に欠かせない生薬として、秦の始皇帝や世界三大美女の楊貴妃はじめ、歴代の皇帝や皇妃たちに愛用され、珍重されてきた。

 冬虫夏草の成分は、薬用資源としての研究が進められており、例えば、三菱ケミカルホールディングス<4188>(東証プライム)の田辺三菱製薬株式会社は、DM三井製糖ホールディングス<2109>(東証プライム)等との共同研究により、冬虫夏草由来の成分から、多発性硬化症治療薬であるフィンゴリモドを生成し、日本発・世界初の経口治療薬として、世界規模での多発性硬化症治療に大きく貢献している。

 1977年に日本医学会で発表された論文『ハチタケの⼈⼯培養とその抗腫瘍性について』で、冬虫夏草に癌に効果がある事が世界で初めて明らかにされて以降、冬虫夏草の癌に対する効能について多くの論文が発表されるとともに、癌ばかりでなく、脳梗塞、アルツハイマーなど、各方面で、冬虫夏草由来の成分の効能について、研究が進められている。

 今回、株式会社バイオジップコードで発売する冬虫夏草は、かつて主力産業として養蚕に取り組んでいた島根県日原町(現・津和野町)が、地域復興のため、京都工芸繊維大学との産学官連携により、1995年に無菌飼育の蚕を用いた冬虫夏草の培養研究を開始し、その培養に成功したもので、2017年に津和野町が取得した特許(特開2017-121183)に基づく独特の培養方法により、津和野町の製造業者により、純国産で培養される冬虫夏草になる。

 京都工芸繊維大学は、電子工学、機械工学、情報工学、生物学、化学などの先端科学技術分野から繊維学、建築学、デザイン学まで幅広い分野において、ものづくりを基盤とした「実学」を目指した特色ある教育研究を行っている国立大学で、こうした産学協働に積極的に取組んでいる大学。1899年に設立された京都高等蚕業学校を前身としており、京都工芸繊維大学の長年にわたる養蚕に関する研究ノウハウが、地域再生を志す山口県津和野町との産学官連携により、純国産の冬虫夏草の培養に活かされた。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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