京写は23年3月期2Q累計減益だが通期増益予想据え置き

(決算速報)
 京写<6837>(東証スタンダード)は10月28日の取引時間終了後に23年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。海外自動車分野を中心とする新規顧客との取引や、前期稼働したベトナム子会社の寄与などで増収だったが、国内自動車分野における生産調整の影響や、原材料価格・電力料金の高騰の影響で減益だった。ただし通期については増益予想を据え置いている。第2四半期累計の利益進捗率が低水準だが、ベトナム子会社の稼働本格化効果も寄与して収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く年初来安値圏だ。目先的には第2四半期累計業績を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■23年3月期2Q累計減益だが通期増益予想据え置き

 10月28日に発表した23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結業績は、売上高が前年同期比15.4%増の117億51百万円、営業利益が14.8%減の2億13百万円、経常利益が22.7%減の2億15百万円、親会社株主帰属四半期純利益が42.3%減の73百万円だった。

 売上面では、国内は減収だった。実装関連事業が回復基調だが、プリント配線板事業が自動車生産調整の影響を受けた。ただし海外は増収だった。自動車関連分野を中心に新規顧客と新商品の売上が寄与した。事務機分野も中国、インドネシアで好調だった。さらに前期稼働したベトナム子会社も売上を伸ばした。この結果、全体として2桁増収だった。利益面では、国内自動車分野における生産調整の影響や、原材料価格・電力料の高騰の影響で減益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が59億09百万円で営業利益が1億83百万円、第2四半期は売上高が58億42百万円で営業利益が30百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比7.8%増の230億円、営業利益が46.2%増の7億円、経常利益が22.7%増の6億30百万円、親会社株主帰属当期純利益が24.5%増の3億60百万円としている。配当予想は1円増配の6円(期末一括)としている。

 コロナ禍影響の長期化、世界的な半導体不足やサプライチェーン混乱による自動車等の減産、原材料価格の高騰など先行き不透明感が強いが、需要が高水準に推移し、ベトナム子会社の生産拡大なども寄与して大幅増益・増配予想としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が51.1%、営業利益が30.4%、経常利益が34.1%、親会社株主帰属当期純利益20.3%である。利益進捗率が低水準だが、ベトナム子会社の稼働本格化効果も寄与して収益拡大を期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は地合い悪化も影響して反発力が鈍く年初来安値圏だ。目先的には第2四半期累計業績を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。低PBRも評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。10月28日の終値は299円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS25円12銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の6円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS501円72銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約44億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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