ジャパンフーズは23年3月期2Q累計増益、通期予想据え置き

(決算速報)
 ジャパンフーズ<2599>(東証スタンダード)は、11月2日の取引時間中に23年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。コロナ禍に伴う行動制限等で国内飲料需要が低迷し、エネルギーコストの想定以上の高騰も影響したため計画を下回ったが、前年同期比では増収増益で着地した。そして通期の営業・経常黒字転換、最終大幅増益予想を据え置いた。行動制限解除に伴って国内飲料需要の回復が見込まれ、低重心経営による生産性向上効果も寄与する。積極的な事業展開で収益回復を期待したい。株価は年初来安値圏でモミ合う形だが、第2四半期累計業績に対してややポジティブな反応となり、調整一巡感を強めている。低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。

■23年3月期2Q累計は計画未達だが増益着地、通期予想据え置き

 23年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比4.6%増の59億52百万円、営業利益が14.9%増の8億32百万円、経常利益が17.3%増の9億70百万円、親会社株主帰属四半期純利益が14.4%増の7億11百万円だった。

 コロナ禍に伴う行動制限等で国内飲料需要が低迷し、想定以上のエネルギーコスト高騰も影響したため計画(売上高65億円、営業利益13億円、経常利益14億円、親会社株主帰属四半期純利益10億円)を下回ったが、前年同期比では国内受託製造数の増加や生産性向上効果などにより、増収増益で着地した。

 国内飲料受託製造事業は、受託製造数が5.2%増の2264.5万ケース、セグメント利益(調整前経常利益)が25.4%増の8億60百万円だった。計画との比較では国内飲料需要の低迷やエネルギーコストの高騰が影響したが、前年同期との比較では猛暑効果も押し上げ要因となって受託製造数が増加し、生産性向上効果なども寄与して増益だった。受託製造数は、第1四半期はコロナ禍に伴う行動制限の余波で減少したが、第2四半期は猛暑効果も押し上げ要因となって増加に転じた。

 海外飲料受託製造事業(中国の持分法適用会社、連結対象期間22年1~6月)は需要が順調だったが、利益は新ライン増設に伴うコスト増加で30.0%増の87百万円だった。その他事業(水宅配事業および水宅配フランチャイズ事業)の利益は、価格改定も寄与して39.4%増の23百万円だった。

 親会社株主帰属四半期純利益(前年同期比+89百万円)の増減分析は、受注増加で+130百万円、生産性向上等(コスト改善)で+225百万円、エネルギーコスト上昇で▲230百万円、事業取込利益で▲35百万円としている。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が27億97百万円、経常利益が3億88百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2億87百万円、第2四半期は売上高が31億55百万円、経常利益が5億82百万円、親会社株主帰属四半期純利益が4億24百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比9.6%増の105億円、営業利益が4億円(22年3月期は3億87百万円の赤字)、経常利益が5億50百万円(同1億71百万円の赤字)、親会社株主帰属当期純利益が26.3%増の4億50百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の27円(第2四半期末10円、期末17円)としている。

 親会社株主帰属当期純利益(22年3月期比+94百万円)の増減分析は、前期の一過性利益(特別利益)の反動減で▲410百万円、受注増加で+550百万円、生産性向上等(コスト改善)で+480百万円、エネルギーコスト上昇で▲460百万円、事業取込利益で▲70百万円の計画としている。

 飲料業界は夏場が需要期、冬場が不需要期のため、同社の業績も上期偏重の季節特性があるが、通期ベースで増収、営業・経常黒字転換、最終大幅増益予想としている。国内受託製造数の計画は14.0%増の4150.0万ケースとしている。第2四半期以降はコロナ禍影響の緩和、猛暑効果、新営業戦略の成果などで増加基調である。利益面は、低重心経営による生産性向上がさらに進捗し、エネルギーコスト高騰の影響が和らぐ見込みとしている。積極的な事業展開で収益回復を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は年初来安値圏でモミ合う形だが、第2四半期累計業績に対してややポジティブな反応となり、調整一巡感を強めている。低PBRも評価材料であり、出直りを期待したい。11月2日の終値は1062円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS93円31銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の27円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1511円93銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約54億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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