テンポイノベーションは23年3月期2Q累計実質増収増益、通期上振れ余地

(決算速報)
 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は11月2日の取引時間終了後に23年3月期第2四半期累計連結業績(23年3月期から連結決算に移行)を発表した。前年同期の非連結業績との単純比較で実質増収増益だった。コロナ禍においても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施し、主力の店舗転貸借事業が伸長した。そして通期の実質増益予想を据え置いた。転貸借契約件数、転貸借物件数とも増加基調であることを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は反発の動きを強めて戻り高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年3月期2Q累計実質増収増益、通期予想据え置きだが上振れ余地

 23年3月期第2四半期累計の連結業績(店舗家賃保証事業を行う子会社の店舗セーフティーを設立して23年3月期第1四半期から連結決算に移行のため前期比増減率は非記載)は、売上高が61億03百万円、営業利益が5億54百万円、経常利益が5億81百万円、親会社株主帰属四半期純利益が3億98百万円だった。

 前年同期の非連結業績(売上高56億67百万円、営業利益4億41百万円、経常利益4億68百万円、四半期純利益3億17百万円)との単純比較で見ると、売上高は7.7%増収、営業利益は25.6%増益、経常利益は24.1%増益、親会社株主帰属四半期純利益は25.6%増益となる。不動産売買が減少したが、主力の店舗転貸借事業において転貸借物件数が順調に増加し、前年の非連結業績との単純比較で実質的に増収増益だった。

 店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)は、売上高が59億06百万円(前年同期の49億96百万円との単純比較で18.2%増収)で、セグメント利益(営業利益)が5億11百万円(同3億39百万円との単純比較で50.7%増益)だった。コロナ禍においても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応し、好立地・小規模・居抜き店舗物件の積極的な仕入を実施した。また営業力増強に向けた採用・教育や、物件管理の質的・量的強化を推進した。この結果、転貸借契約件数(新規契約件数および後継付け件数の合計)は224件(前年同期は191件)となり、期末転貸借物件数は2080件(同1812件)と順調に増加した。

 不動産売買事業は売上高が1億97百万円でセグメント利益が43百万円(前年同期は売上高が6億70百万円でセグメント利益が1億02百万円)だった。2物件を売却、2物件を取得(前年同期は2物件を売却、3物件を取得)し、期末時点の保有物件数は3件となった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が30億04百万円で営業利益が2億86百万円、第2四半期は売上高が30億99百万円で営業利益が2億68百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が126億55百万円、営業利益が10億59百万円、経常利益が10億74百万円、親会社株主帰属当期純利益が7億33百万円としている。配当予想は現時点では未定としている。

 22年3月期の非連結業績(売上高が114億15百万円、営業利益が9億09百万円、経常利益が9億86百万円、当期純利益が6億62百万円)との単純比較で見ると、売上高は10.9%増収、営業利益は16.5%増益、経常利益は8.9%増益、親会社株主帰属当期純利益は10.7%増益となる。転貸借物件数が順調に増加して実質的に増収増益予想としている。コロナ禍でも旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に合致した店舗物件の仕入を推進する。

 第2四半期累計の進捗率は、売上高が48.2%、営業利益が52.3%、経常利益が54.1%、親会社株主帰属当期純利益54.3%と順調である。転貸借契約件数、転貸借物件数とも増加基調であることを勘案すれば、通期会社予想に上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は反発の動きを強めて戻り高値圏だ。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。11月2日の終値は952円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円37銭で算出)は約23倍、前期実績PBR(前期実績のBPS188円29銭で算出)は約5.1倍、時価総額は約168億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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