加賀電子が逆行高、さらなる業績上振れなどに期待強く朝安の後切り返す

業績でみる株価

■業績予想の増額修正は上期の上振れ分だけを反映

 加賀電子<8154>(東証プライム)は11月10日、取引開始直後の2.6%安(115円安の4240円)を下値に切り返し、午前11時にかけては4375円(20円高)まで上げてTOPIXや日経平均の下げに逆行高となっている。11月8日に2023年3月期・第2四半期決算と3月通期業績予想の増額修正などを発表。翌日は上場来の高値を更新した後に下げたものの、引き続き買い意欲の強い相場となっている。

■いちよし経研の最新レポートは「上方修正なおも保守的」と診断

 通期の業績予想については、「(上期)における動向のみ勘案して」(発表リリースより)増額修正した。通期業績予想の増額修正は第1四半期の決算発表時(22年8月4日)に次いで2度目。このときも、過ぎた期間(第1四半期まで)の上振れ分だけを織り込んだ増額修正で、株価はその後一段高となった。いちよし経済研究所が11月9日付で発表した企業レポートでは、「今回も業績予想を上方修正したが、なおも保守的と考える」としている。

■独立系商社の強み(広範な調達ネットワークなど)活かし力強い収益拡大続く

 第2四半期(2022年4~9月・累計、上期)の連結業績は、営業利益が前年同期の2.2倍の183.61億円となるなどで、売上高、各利益いずれも社内計画を上回り、上期としての過去最高を更新した。3月通期の連結業績予想は、上期の動向のみ勘案し、売上高を前回予想比5.6%増の5700億円に、営業利益は同16.7%上回る280億円に、親会社株主に帰属する当期純利益は同25.0%上回る200億円(1株当たり当期純利益761.70円)に見直した。

 いちよし経研の最新のレポートでは、「独立系商社の強み(広範な調達ネットワーク、ワンスポットサポート力など)を活かした力強い収益拡大局面が続いていることに加え、子会社の加賀FEIの収益性改善やEMS事業の好調も続いている」「10月31日にはマレーシア新工場を稼働開始させ(中略)5年内に売上高100億円を目指すなど、さらなる成長を狙う」などとし、、「レーティング『A』、フェアバリュー9000円を継続する」とした。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■7日間摂取試験でBCAAやタウリン増加、血液健全性を維持  吉野家ホールディングス<9861>(…
  2. ■日本味と匂学会で優秀発表賞を受賞、応用研究に期待  花王<4452>(東証プライム)は9月24日…
  3. ■GHG削減価値をデジタル証書化、荷主に割り当て  商船三井<9104>(東証プライム)は9月19…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る